ワールドカップに盛り上がらないといけないわけじゃない

時間をマネジメント
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カタールワールドカップが盛り上がっている。

ドイツとの初戦、日本は後半に2点を取って逆転。日本中だけでなく世界を驚かせるジャイアントキリング。これまで疑問視していた監督の手腕、選手たちのパフォーマンスを、手のひらを返したかのように大絶賛。

二戦目はコスタリカ。決して楽な相手ではないと言いながら多くの人が皮算用。ドイツに勝ったのだからコスタリカも勝てるだろう、という期待を抱いて観戦。結果、0-1で敗れる。

そして迎える第三戦、スペイン。初戦のコスタリカに圧勝し、次のドイツとは引き分けでここまで勝ち点4。日本が決勝トーナメントに進むにはスペインに引き分け以上が必要で、引き分けでもドイツ、コスタリカ次第になるという。試合は2日(金)の4:00からなので、さて、どんな朝を迎えられるのか。

という世間の盛り上がりに反して、私は特に盛り上がっていない。もちろん日本の勝利はうれしいし、サッカーを見るのは好きな方。でもコスタリカ戦は家族とのチャンネル争いに負たこともあって、日曜の我が家のテレビには金曜ロードショーを録画した「バイオレット・エバーガーデン劇場版」→「鎌倉殿の13人」が流れていた。

そして大河ドラマが終わった後にチャンネルを変えたら日本が劣勢で、そのまま敗退。

学生の頃はサッカーだけでなくプロ野球や競馬観戦など、スポーツ全般に心熱くして楽しんでいた。大学の食堂でワールドカップのパブリックビューイングに盛り上がったり、球場にも何度か足を運んでひいきのチームの勝敗を我が事のように一喜一憂した。中学から大学まで体育会系のクラブに入っていたので、自らが経験してきた達成感や無情さを追体験することが好きだった。

あの頃は時間があった。バイトや学校、クラブ活動などいろいろ忙しかったけれど、自由にできる時間は今とは比べ物にならない。でも今は基本的に毎日忙しい。平日は朝から晩まで仕事だし、休日は子供の世話や家族でのイベントごと、家事雑用もある。スポーツ観戦のために2時間テレビの前にいるより、他にやりたい事、やらないといけない事もある。

また、盛り上がりに共感しその時間を共有しあったかつての仲間たちは、お互いに就職し、結婚し、子供ができると、会うことすらままならなくなった。コロナ禍の3年で地元に帰る機会も激減し、両親ですら年1回会うかどうか。たまにLINEで近況を報告しあい、数年ぶりに飲みに行くと思い出話に花が咲く。でも当然ながら学生の頃、若かりし頃とは大きく変わっている。

我が子らはスポーツ観戦よりはバラエティやアニメを好むし、嫁も特にサッカーに興味があるわけではない。会社では常に三分の1以上のメンバが在宅勤務なので入れ違いになることが多く、デスク回りにはクリアボードの仕切りがあるから、積極的に雑談をするという雰囲気には戻っていない。ワールドカップは始まったけれど、テレビ番組を除けば私の周り(家族、会社、友人)では盛り上がりを感じない。

所詮、大多数にとってはスポーツ観戦が娯楽に過ぎない。実際のところ、日本の勝敗が生活面で直接影響を与えることなんてほとんどない。サッカー以外でもたまにあることだけれど、特にメディアではこういったイベントに参加しないと非国民、のような雰囲気が醸し出されている。視聴率や集客のためでもあるかもしれない。もともとサッカーが好きな人や積極的に祭りに加わりたい人、喜怒哀楽をシェアしあいたい人以外は、四年ぶりの世界的なイベントを適度に楽しめばよいと思う。

スポーツは愛国心を測るためのものではない。娯楽なのだから楽しみ方は人それぞれで、強要されるものではない。

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