
昨年夏の成人病検診では、腎機能の指摘をはじめ多くの項目で基準値を外れた。原因を考察した結果、朝の短い時間帯にタンパク質を1度に取りすぎていることが内臓へ過大な負担をかけているという仮説に至った。
つまり朝起きてから朝食までの摂取量(40〜45g程度)が多すぎた。そこでこの1年は、卵とプロテインスープの同時摂取を避けるため、タンパク質摂取の「時間差マネジメント」を実施してきた。具体的には以下のように朝食を2回に分けるようにした。
- 起床直後(6時前):プロテインスープ + トマトジュース+乾燥野菜20g+アボカド5g
- 朝食(7時頃):トースト + 卵1個(ベーコン、チーズも継続)
だが加齢に伴って筋肉がつきにくくなることに加えテニスのパフォーマンス向上のためにも、タンパク質の摂取量自体は維持またはむしろ増やしたほうがよいと考えて昼に卵を食べる頻度を上げた。さらに立ちくらみ対策として毎朝のヘム鉄サプリも導入した。なおトマトジュースに入れた5gの微量のアボカドは、脂質を同時摂取することでリコピンの吸収率向上を狙ったものだ。
こうして新たな生活習慣に取り組み、満を持して挑んだ2026年5月27日の検診結果が返ってきた。
3年間の主要数値の推移
血液検査や糖尿病検査はここ数年でおなじみだが、結論から言えば、今回の対策で大部分のバグが解消すると期待していたものの、結果はほぼ惨敗。一部に一定の効果は確認できたものの、それを上回る新たなシステムエラー(バグ)が浮上する散々な結果となった。
| 検査項目 | 単位 | 参考基準値 | 2026年 | 2025年 | 2024年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 赤血球数 | 万/μl | 400〜539 | ↓ 372 | ↓ 388 | 417 |
| ヘモグロビン | g/dl | 13.0〜16.6 | ↓ 12.6 | ↓ 12.6 | 13.2 |
| 血小板数 | 万/μl | 13.0〜34.9 | ↓ 12.9 | ↓ 11.3 | 12.3 |
| A S T | U/l | 30以下 | 29 | ↑ 41 | 30以下 |
| A L T | U/l | 30以下 | 28 | ↑ 33 | 30以下 |
| 総蛋白 | g/dl | 6.5〜8.0 | ↓ 6.1 | ↓ 6.4 | 6.6 |
| アルブミン | g/dl | 4.0以上 | ↓ 3.7 | 4.0 | 4.1 |
| LDLコレステロール | mg/dl | 60〜119 | ↑ 152 | ↑ 141 | 128 |
| HDLコレステロール | mg/dl | 40以上 | 58 | 55 | 56 |
| 中性脂肪 | mg/dl | 30〜149 | 85 | 110 | 95 |
| クレアチニン | mg/dl | 0.01〜1.14 | 1.14 | ↑ 1.15 | 1.07 |
| e G F R | – | 60.0以上 | ↓ 55.6 | ↓ 55.4 | 60.4 |
| 糖代謝(HbA1c) | % | 4.9〜5.5 | ↑ 6.0 | ↑ 6.0 | 5.2 |
考察(1)肝機能・腎機能の処理容量
唯一の成果として、肝機能数値には明確な分散効果が表れた。昨年オーバーしていたAST(41→29)とALT(33→28)がともに基準値内に収まった。朝の時間差配置によって処理容量を平準化できたと考えられるため、この人体実験はここだけを見れば一定の効果があったと言える。
腎機能(クレアチニン1.14 / eGFR 55.6)は昨年と比べて実質変わっていない。悪化に歯止めをかける現状維持が精一杯であり機能が戻ったわけではない。
ここで新たな仮説として、ホエイなどの牛乳由来のプロテイン(乳たんぱく)の摂りすぎが腎臓のろ過フィルターに慢性的な過負荷を与え続けているのではないか、という懸念が浮上した。吸収の早すぎる牛乳由来のプロテインは一気に処理されて身(材料)になりにくいため、プロテインを飲んでいるのに総蛋白が下がるというパラドックスを招いている可能性もある。タンパク質の量による内臓負荷の問題はクリアできたが、プロテインの種類が腎機能回復の妨げになっているかもしれない。
考察(2)血液一般の停滞と乳たんぱくの相性
立ちくらみ対策のヘム鉄サプリだが、赤血球372、ヘモグロビン12.6、血小板12.9と血液一般の数値には改善の兆しがない。
夜に飲んでいた3月の献血時点では一度正常値に戻っていたが、飲むタイミングを朝一番に変えた4月以降に急落している。原因は起床直後に飲むプロテインスープの主原料である乳たんぱくだろう。乳製品に含まれるカゼインやカルシウムは鉄分の腸内吸収を強く阻害する。朝7時に乳たんぱくスープを読み、近い時間帯に鉄サプリを流し込んでいたのでは相性が悪すぎて鉄分が素通りしていた可能性が高い。
考察(3)脂質・糖代謝のボトルネック
何より想定外だったのが、右肩上がりを続けて基準値を大きく外れたLDLコレステロール(152)だ。あわせて総蛋白(6.1)とアルブミン(3.7)も基準値を割っている。現在運動量を増やしているため、筋肉維持の観点からもタンパク質摂取量は維持すべきであり、減らす選択肢はない。
そこで、真の問題は同時に摂取している飽和脂肪酸にあるという仮説を立てた。卵のコレステロール自体よりトーストに挟んでいたベーコンやチーズなどの飽和脂肪酸がLDLを上げる。リコピン吸収効率を狙った微量のアボカド脂質を、これら朝食の動物性脂質や昼の卵増量による飽和脂肪酸が完全に上回ってしまった結果だ。
糖代謝(6.0)に関してはここ数年の検査から高い状態(過去2年は6.0)が続いている。現時点では何が直接の原因になっているのか不明だ。ただ、総蛋白の低下と合わせると、「運動量に対してパンやごはん(炭水化物)の摂取量がそもそも不足していたのではないか」という新たな仮説が浮上した。エネルギーが足りないため肝臓が糖を自給足して血糖値を高止まりさせ、さらにせっかく摂ったタンパク質が材料にならず熱量として消費されているのかもしれない。
結果に向き合い、次なる対策をうつ!
確定した数値データを踏まえ、トータルのタンパク質摂取量は維持しつつ、成分の相性と飽和脂肪酸・血糖値ベースのコントロールを試みる。具体的には以下の4点に取り組むことにする。
- 飽和脂肪酸対策としてタンパク質源の置き換えと脂質制限
卵は1日上限1個に制限する。代わりにサバ缶や納豆を食べる頻度を増やす。トーストのベーコンやチーズを減らしマヨネーズも控えることで飽和脂肪酸の摂取量をカットする。 - 朝のプロテイン減量と、ソイ(植物性)への段階的シフト
まずは起床直後のプロテインスープ(牛乳由来)の摂取量を半分に減らすことから始める。卵を食べる日の内臓へのろ過負担を一時的に回避しつつ、現在の在庫を消費し次第、段階的に植物性のソイプロテイン(大豆ベース)へと置き換えていく。 - 炭水化物の増量による血糖値の安定化
パンやごはんの摂取量を適度に増やす。十分なエネルギーを補給することで総蛋白の回復も同時に狙う。 - 鉄サプリは昼食時に移行
乳製品(プロテインスープ)とぶつかる朝を避ける。夜間は便秘リスクがあるため消去法で昼食時に飲むことで確実な鉄吸収を狙う。
次の答え合わせは3か月後
45歳を過ぎた身体を使った健康管理、2年目はトータル量を確保しながらもより緻密な脂質バランスと成分の相性の検証に挑む。今回の取り組みを徹底した上で、3か月後に近所の内科で再検査を受け、数値がどう動くかでこれらの方針の答え合わせ(仮説検証)をする予定だ。

