引継不足で異動した人の話

仕事をマネジメント
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6月で別グループに異動した人の引継ぎに問題があり、ちょっと危機的な状況に陥っている。私のチームの話ではないのだが、対岸の火事とは呼べない状況で、その影響はグループ全体に及んでいる。

以前記事にしたが、Bさんが7月に異動することはずいぶん前から分かっていたことだ。だがもともと交代要員として1年かけて引継を受けていたAさんが5月に急きょ退社してしまったため、新たな交代要員であるCさんへの引継ぎを6月の一カ月でやりきらなければならなくなった。だが6月上旬にBさんが、そして下旬にはCさんが立て続けにコロナに罹患したこともあって、明らかに引き継ぎが足りていなかった。

迎えた7月、Bさんが担当していた2案件で、7月中に対応が必要なタスクがある事が発覚した。さらにBさんが担当していた伝送システムの処理が大幅に遅延したことで、大量の問い合わせやクレームが発生した。その結果、私のチームのDさんが支援に駆り出され、新規着任のCさんのフォローをしつつ案件対応と問い合わせ対応フォローをすることになった。

現在はBさんのチームのリーダと、6月着任のCさん、そして私のチームのDさん、もう一人のメンバ、グループ長も加わって、5人総出で事に当たっている。そしてDさんのタスクを私ともう一人のチームメンバで分担して引き取るという、まさにグループあげての総力戦の様相を呈している。

Bさんは別グループへの異動であっていなくなるわけではない。そのため何かあっても質問できるし、なんなら引継不足を理由にして異動後も一部作業を継続してもらうことも期待していた。しかし間が悪い事にBさんが今週後半は休暇で不在であり、かろうじて電話で会話はできたものの、実対応は慣れないメンバーでがんばらざるを得ない。

引継不足は誰のせいなのか

当然ながら皆が口々にBさんを悪者扱いしている。たしかにBさんの行動は社会人としての責任を果たしているとは言いがたい。だがそれでも、引継不足をBさん一人の責任にしてはいけない。

仕事はチームで行うもので、Bさんの作業管理はチームリーダの役割だ。チームリーダは毎週グループ会でBさんの担当含めてチームの作業進捗を報告していたので、Bさんが担当する案件の状況はリーダが把握しているはずだ。案件推進をメンバに丸投げすることもあるが、それでも各メンバが責任もって案件タスクを進めているかを管理し、問題が生じていればリーダが対応しなければならない。その点で、今回の引継不足はチームリーダにも責任がある。

5月末から「いつまで待ってもBさんから引継ぎ項目一覧が出てこない、チャットしても反応がない」と、Bさんの所属していたチームのリーダが不満を漏らしていた。だがそのリーダもBさんもフル在宅勤務というわけではなく、少なくとも週1~2回は顔を合わせる機会があるのだから、チャットで反応がなければ対面で会話すればよい。

引継項目の一覧が出てこないことについて、BさんにはBさんなりに、必ずなにか理由がある。正当性・妥当性は別にしても、リーダであればその理由に耳を傾け、課題があれば解決する振る舞いが求められる。メンバが困っていたら助けるのがリーダの仕事であり、それにはまずメンバが抱える課題を知らなければなにも始まらない。そして表向きでも構わないので、自分はメンバの味方であって一緒に課題を解決する姿勢を示さなければならない。

「無責任」とレッテルを張って責めるだけではリーダ失格だ。メンバが誰も皆、責任感と自主性を備えているわけではない。一人ひとり個性のある人間なのだ。作業の好き嫌いだってあるし、気分が乗らない時もある。そういった多様性を認め、その中でチームとしての生産性を如何に高めるかが、今の管理者に求められていることなのだ。

私にもできたこと

とはいえ、私も対岸の火事ととらえて、状況改善のために先行して手を打てなかったことは否めない。Bさんとは5月に少し面談をしていて、そのころは引継ぎ遅れが表面化する前だったので、突っ込んだ話ができなかった。異動前の6月にも面談をしたかったのだが、グループ内のコロナ騒ぎもあってできずじまいだった。Bさんと引継についての話ができていれば、もう少しフォローできたこともあっただろう。こういうところが、グループ長から「出向者としての遠慮がある」とみられてしまう所以だろう。

自チーム内の案件や私自身のタスク推進を優先し、グループ運営には十分な力をかけられていない。これでは昨年度となにも変わらない。問題が顕在化してから対処するのは手がかかるし、周りにも迷惑がかかるので、問題の芽は出来るだけ小さいうちに摘んでおきたい。それにはグループ内全体、メンバ個々の置かれている状況を知っておくことが重要だ。時間があったら面談をする、というスタンスでは目の前の仕事に時間と意識を奪われてしまう。言葉ではグループ運営に注力したいと言っていても、まだまだ優先順位が低いままだ。

やはり、メンバへの面談計画を先に作っておかなければならない。また、グループ長ともチーム運営について定期的に会話する場を設けた方がいい。出向者は、事業会社から育成してもらえる立場ではない。遠慮せずにこちらから積極的に行動しなければ、なにも変わらない。

どうする?歓送迎会

こういった状況のため、Bさんの送別会&Cさんの歓迎会はまだ開催できていない。6月に実施予定だったが、二人のコロナ罹患でたびたび延期した。そして7月はグループ長含めて皆の予定がなかなか合わず、幹事が頭を悩ませている。

正直、もうBさんの送別会流行らないほうが良いと思っている。ここまで引継がこじれてBさんの立場が悪くなった状況で、気持ちよくBさんを送り出すことなどできそうにない。Bさんも参加しずらいだろうし、それが日程調整でBさんの参加可能日が極端に少ない理由ではないかと勘繰っている。

それならCさんの歓迎会のみ開催して、Bさんを酒のエサにグループの既存メンバの親睦を深めて結束を強めた方が、グループ運営としても利があるだろう。Bさんが参加してなにか良いことがあるようにはとても思えない。

若手の幹事ではこの判断はできないだろうから、グループ長の英断に期待したい。

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