お金は働いてくれないよ

お金をマネジメント
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物価高による度重なる値上げやさまざまな理由をつけた増税が続くなか、中小企業や派遣契約の賃金アップは大手に比べて微々たるもので、日々の生活が苦しいがために投資や副業に興味をもつ人も増えてきた。いろいろな理由・条件をつけて副業を解禁・推奨する会社があり、また世の中には「スキマ時間に楽して稼ぐ」「お金に働いてもらう」なんてキャッチフレーズが溢れている。

副業をするなら自分のために

だが、副収入を得ることを目的とした副業は推奨しない。平日は一日8時間働き、それでは収入が足りないので夜間や休日に副業をするのでは、限りある貴重な時間をすべてお金に差し出しているようなものだ。これでは何のために生きているかが分からない。夜間や休日は体や心を休め、また幸せになるための活動に充てるべきなのに、そこで副業をする生活は長くは持たない。

仕事においては通常、それ自身が生み出す価値と等価交換でお金を得ることが出来る。誰かに与えた喜びの量が価値であり、その量に応じた給料が支払われる。8時間労働で十分なお金を得ることができない、というのなら、生み出す価値が低いかまたは過小評価されているのだ。生み出す価値のわりに得られるお金が少ないのなら、選択肢は副業ではなく転職だ。生み出す価値が低いなら価値をいかに高めるかを考えるべきで、それをせずに似たような副業をしたって抜本的な解決にはならない。無理をして日銭を稼いでも、自転車操業はいつか破綻する。

もちろん、どんな仕事であれ経験を積むことでスキルアップ、レベルアップの余地がある。工場でのラインワーカーであれ、コンビニのレジ打ちであれ、経験・知識が増えれば効率・品質があがるので、それに応じて評価・給料も上がっていくことはある。だがそれでも生み出す価値を越えて給料が上がることはない。50万円の価値を生み出す職業に、100万円の給料を払う会社なんてない。誰でもできる、始めやすい、働きやすい。そういった仕事は生み出す価値もそれ相応なのだ。

だから仕事をする以上は、その仕事が生み出す価値と、レベルアップの幅、将来性を常に意識すべきだ。今は良くても5年後、10年後、その仕事をつづけた先に、より高い価値を生み出せる自分がいるのかどうか。慎重に足元に気をつけて歩くだけではなく、その道の先になにがあるかを見渡してみよう。ひょっとしたらその道は行き止まりなのかもしれない。

もし今の仕事に将来性がなく、また自己の成長・レベルアップにもつながらないのなら転職を考えてもいい。退職前に次の就職先を見つければ収入が途切れるリスクは回避できる。もしくは今の仕事は続けておいて、その傍らに将来を考えての副業を始めることには意味がある。別の業界・職種であれば人脈も視野も広がり、それだけで可能性は広がっていくし、刺激を得ることで今の仕事に良い刺激にもなって道が開ける場合もあるだろう。

そういう目的を持ったうえで、休日や夜間に副業を始めるのなら話は違ってくる。自転車操業ではあっても、その副業によって自分の未来を変えるチャンスが得られるからだ。または、今の仕事に充実感や喜び、価値を見出せないのならば、自分の好きなことを副業にすることも出来る。時間に限りがあるので収入は多くは望めないかもしれないが、やりたい事をやって収入を得られるのならそれはまた、一つの幸せの形になりうる。

投資も自己成長の機会

以前、投資のススメについて記事を書いた。

私にとって、投資もまた自己成長・学びに通じる。会社とは何か、株とは何か。人の心理も、社会情勢も学ぶことができる。自分でお金を払って研修を受講するようなものだ。研修に払ったお金は返ってこないので、その研修で得た知識や経験を意味あるものにするには、さらにいくつかのステップをふまなければならない。しかし投資はよほどリスクの高い株・金融商品でない限り出資したお金がゼロになることなんてないので、費用対効果の悪くない学びの場となりえる。

だが、銀行や証券会社、または良く分からないYouTuberなど、誰かに言われるままお金を払って投資をするのではなんとももったいない。「お金に働いてもらう」ということの意味を理解せず、ただ投資を始めれば資産が増えて勝手に将来の蓄えが増えていく、というわけではない。もちろん日々の株価の動向に一喜一憂せずに毎月積み立て設定をしてほったらかしておく、ということは意味がある。着実な資産形成に繋がるし、長期投資はリスクをかなり減らしてくれる。

ただ、そこから得られる学びはかなり限定されてしまう。NISAやiDeCoによる長期投資をしつつも、小学であっても株を購入して一喜一憂してこそ、その経験はなによりの学びになる。

投資をすると、お金が小人のようにせっせと働くわけではない。投資とは出資だ。なにか価値を生み出そうとしている他の誰かにお金を預けて、その誰かが預けたお金を使って価値を生み出すことができれば、預けたお金に利子がついて返ってくる。本来はただそれだけの仕組みであり、価値を生み出すことが出来なければ損をすることもある。複雑な金融商品も多数存在するし、NISA自体もすぐに理解するのが難しかったりもするが、「お金が働く」のではなく「投資者から集めたお金を使って別の誰かが働く」のだ。どんな金融商品でもリスクはあり、濡れ手で粟のようなうまい話は存在しない。

成功も失敗も学びとなるので、そこから得られる価値まで考えれば決して損はしない。

学びと成長を意識しているか

お金は働いてはくれない。働くのは自分自身か、または別の誰かだ。

自分が働くのなら、成長を意識することでどんな仕事でも成長できる。そして自身が成長すれば、生み出す価値を高めることができるし、その価値に応じて給料も上がっていく。レベルアップ、キャリアアップにも繋がっていく。

別の誰かに働いてもらう場合であっても、投資について学ぶ姿勢をもてば、短期的に損をすることはあっても中長期的にはリスクを減らすことが出来る。普段の仕事では得られない知識や経験もできるし、逆に仕事の価値を高めるための気づきを得られることだってある。

だがいずれにせよ、必要なのは自身が学び成長しようとする意識だ。何も考えずに与えられた作業をこなす、言われるがままに投資するだけでは何も変わらない。学びと成長の積み重ねが日々の充実にも、将来の幸せにもつながってくる。お金を増やすこと、日々を生きることを第一目的にするのでははもったいない。どうせ限りある時間を使って仕事をするのなら、学び成長するに越したことはない。

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