交通系ICはモバイルSUICAとPiTaPaを併用している。PiTaPaは三井住友カード(NL)に付帯しているのでPiTaPaで交通費を支払ってもOlive100万円修行には加算されず、またPiTaPa利用自体もVポイント付与対象外だ。それでも関西の各交通機関(JR除く)で登録形式の割引サービスがあるので、
JRおよび関西圏外=モバイルSUICA
JR以外の関西圏=PiTaPa
という使い分けをしてきた。
モバイルSUICAはOliveでチャージしてもVポイントは付与されないが、Oliveから一旦kyashにチャージしてGooglePayを経由すれば0.5%が付与される。乗車割引があればPiTaPa、なければモバイルSUICAという使い方だ。
しかし先日、三井住友カードが関西エリアのクレジットカードでのタッチ決済による鉄道乗車サービスを一気に拡大する、との発表があった。大阪・関西万博での外国人訪問客への利便性を意識した動きだ。
当然ながらOliveフレキシブルペイでも鉄道乗車ができるようになるため、タッチ決済乗車によって今よりお得になるのであれば、これまでの支払い方法は見直したほうが良い。そう思って、PiTaPa、SUICAの支払い内容や割引について改めて確認した。
https://www.smbc-card.com/company/news/news0001956.pdf
PiTaPaの割引サービスを再確認
PiTaPaは地下鉄だけでなく京阪、阪急、阪神などの関西私鉄で区間指定の割引サービスに登録している。だが週2日は在宅勤務で、出社する際も基本的には自転車通勤のため、昔に比べると鉄道利用の機会はかなり少ない。そのため実際どれくらい割引があるのか、あらためて過去1年半の利用明細を確認してみたところ、良くも悪くも想定外が多かった。
①大阪市営地下鉄(Osaka Metro)
地下鉄は、マイスタイルの地下鉄プランとして、家と会社の最寄りの駅を登録している。登録駅から乗降車し、登録駅間の駅から二駅隣りまでの駅(対象駅)で乗降車した場合にも割引が適用されるため、大阪のど真ん中にある会社の最寄り駅を登録しておけば通勤外の地下鉄利用の際も対象駅になる。そのため通勤外での利用を含めてほとんどが指定期間割引の対象になる、と思っていた。
だが割引の条件には登録駅の乗降車が必須のため、自宅の最寄り駅、または会社の最寄り駅を利用しない限りは割引は適用されなかった。また、マイスタイルは指定区間に応じた上限値が6か月定期の6分の一相当に設定されるだけであり、私のように月数回しか地下鉄に乗らないケースでは上限値まで達することはないため、そもそも登録の意味がなかった。
ただしマイスタイル登録に関わらず月1回目の地下鉄利用から10%の割引サービスがあるため、地下鉄を利用する際はPiTaPa、という選択は正しかった。
②近鉄
年数回、実家に帰る際に近鉄特急を利用することがある。だが新幹線より値段は安いが鶴橋から名古屋まで2時間以上もかかるため、お盆や年始の日帰り帰省は新幹線を利用し、私一人が先に1日前入りする場合など時間に余裕があるときのみ近鉄を使っている。
近鉄も区間指定割引はある。だが1カ月定期と同額計算になるだけなので、こちらも年数回の利用では割引は適用されない。また、3,150円を超える額に10%割引されるという利用金額もあるが、名古屋~鶴橋間でも片道2,860円なので、少なくとも1か月間で複数回乗車しなければ割引範囲には届かない。
ただ2024年2月1日(木)から2024年9月30日(月)まで期間限定で、3,150円の枠が撤廃のキャンペーンがあり、、その間片道の近鉄運賃が286円ずつ割引されていたことを事後で知った。
https://www.pitapa.com/whatsnew/pitapa-16.html
今後もそういったキャンペーンがあるときや、伊勢などに日帰りで遊びに行くことがあれば、運賃に応じてSUICAでなくPiTaPaを使ったほうがお得になる。だがそれ以外であればPiTaPaを使う必要性はない。
③京阪、阪急他
京都にお墓参りに行く場合は京阪を利用することがあるが、常に外国人観光客で溢れかえっていて、真夏は酷暑の京都に遊びに行く機会は減っている。そのため1年で数回行けば良い方だろう。
京阪でのPiTaPa利用は利用回数割引と区間指定割引があるが、月6回も京阪を往復で使うことはない。
阪急、阪神はさらに利用頻度が低く、1年に1~2回乗るかどうか、と言うところだ。京阪と同様にPiTaPaでの利用回数割引はあるが、こちらも11回目以上の乗車が条件なので割引効果はない。
結論として、これらの私鉄でPiTaPaを使うメリットは特にない。
VISAタッチを使うかどうか
PiTaPa利用はOsakaMetro(地下鉄)に限定すればよい、ということが分かったが、さてVISAタッチを使うメリットはなにかあるだろうか。
ポイント付与の観点で言えば、Oliveからkyashへのチャージで0.5%のVポイントが付与されるが、kyashからGooglePay経由でモバイルSUIAにチャージしてもポイントはなにもつかない。そしてVISAタッチを使うと鉄道乗車の都度Oliveで支払い、他を含めた1カ月間の利用金額に対して0.5%のVポイントが付与される。つまり現時点ではVISAタッチで鉄道乗車をするメリットは特になく、むしろ改札通過時にわずかながら反応に時間がかかる、という点を欠点とするなら、あえてVISAを使う必要はない。
ただ、VISAタッチは後払いなので、特定の駅×お店、路線×チェーン店の組合せで鉄道利用、または店舗利用に応じてカード決済時に割引をする、というサービスが可能だ。現時点ではそういったサービス、キャンペーンは確認できていないが、VISAタッチの普及とともに後払いの割引が増えていくかもしれない。来年の大阪万博に関連した試みも始まるかもしれない。
今すぐに地下鉄以外の鉄道乗車をモバイルSUICAからVISAタッチに切り替える必要性は特にないが、各社のキャンペーンやプレスリリースには注意しておきたい。またその時に備えて今のうちに、一度はVISAタッチを経験しておくのも良いだろう。