先進的窓リノベ事業の給付金が支給される
住宅省エネ2023キャンペーンの「先進的窓リノベ事業」を利用して我が家の窓断熱を行った。6月に申し込んだものの部材の納期遅れもあって工事は9月となり、予算が尽きる前に申請が間に合うかドキドキしていたが、工事完了前に申請が出来ることになったため、先日無事に給付金を受け取ることが出来た。給付金の申請手続きはすべて施工業者がやってくれるので、施工主としては窓の種類を決めて工事日を調整、当日立ち会うくらいでよかった。そして当初の見込み通り、約40万円が返金された。給付金は施工業者に支払われるため、わざわざ現金を持って来てくれた。部屋の片づけが手間なので振込みでも良かったのだが、施工業者からすると「振込手数料がかかるし、現金を手渡しした方が楽」だという。交通費を考えれば振込一択だと思うが、建築業界では未だ現金至上主義なのだろうか。
12月に入り窓断熱の本領発揮!と思っていたが、温暖化の影響だろうかそこまで寒い日はまだ少なく、効果のほどは良く分からない。帰宅した時に外気温と比べると室温がかなり高いような気はするが、それが窓断熱の効果なのか、去年も似たようなものだったのかは判断できない。窓断熱によって暖房にかかる電気・ガス代の節約も期待しているが、そもそも暖冬ならは光熱費は削減できそうだ。1月2月と本格的に冬入りして寒さが厳しくなった時に真価が問われるだろうから、寒いのは嫌だが寒くなるのが待ち遠しい。
「先進的窓リノベ事業」は結局予算を使い切ることはなかったのだが、施工業者曰く来年も同様のキャンペーンが継続されるらしい。今年は窓断熱を実施したが、給付金をもらえる範囲で他に生活環境を改善できることがないか、来年度も検討するつもりだ。温暖化していることも考えると、夏の暑さに対してなにか手を打ちたい。
大阪市のプレミアム付商品券をゲット
大阪市は去年に続いて今年もプレミアム付商品券を販売している。
1口1万円で1.3万円分の買い物に使うことが出来る。上限は一人4口までで、私と嫁で合計8万円払って12.2万円分、4.2万円もお得なのだ。手続きは公式ホームページで申し込みを行い、当選すればハガキが届くのでそれをファミマに持って行って代金を支払うだけだ。しかも4万円の支払いはコンビニで、クレカが利用できるのでさらに400円のポイントも還元される。利用期間は5月までだが利用店舗もかなり多く、スーパーや飲食店で普段使いすれば、あっという間に使い切ってしまうだろう。
以前は肉類を業務スーパーで購入していたが、話題(?)のロピアに行ってみたところ肉類がかなりおいしくお得だったので最近は週末には欠かさず購入しに行っている。ただ業務スーパーと違ってクレジットカードが使えないことが難点で、家族4人分の1週間分の肉・魚はけっこうな額になるため、定期的に銀行ATMでお金をおろすのは面倒だった。しかしプレミアム付商品券はロピアで使用できるため、まさに一石二鳥だ。
440万口の応募枠に対して購入申し込みが426万口と上限に届かなかったことで、12月1日から2次募集が始まった。申込に年齢制限はなく息子と娘の分も購入できることがわかったので、当選するかどうか分からないがとりあえず追加で申し込みしておいた。1次募集はあまり大々的に宣伝していなかったので、今後スーパーなどで「プレミアム付商品券」が使えることが分かれば募集は増えていくだろう。あまり期待せずに、当選すればラッキー、というくらいの心構えをしておこう。
想定よりも利用者が少ない理由を考える
リノベ事業もプレミアム付商品券も、どちらも期限内に上限に達することはなかった。
窓断熱は必須というわけではない。だが電気・ガス代が高騰して家計を圧迫する中で、冷暖房効果が高まることは節電・節ガスにもなるので、長い目で見ればやっておいて損はない。しかも今なら50万円分の工事が実質10万円で出来てしまう。我が家では電気・ガス代が年間20万以上かかっているので、仮に0.5割の節電・節ガス効果があるなら10年で元が取れる。メディアで取り上げられることも政府による情報発信もほとんどなく、また資材の納期遅れもあって施工業者側も積極的な営業はしていないとはいえ、このようなお得なキャンペーンにもかかわらず想定より利用者が少なかったのは不思議だ。
プレミアム付商品券も、確実に得になるのにも関わらず予想以上に応募が少ない。前回は大阪市民でなくても購入できたこともあって私は初回の応募には当選できず、予算を拡大した追加募集でようやく購入することができた。今回は440万口の応募枠があり、大阪市民は270万人なので3分の1が4口ずつ申し込める。高齢者や家庭環境、生活スタイルによって商品券を使い切れない、という判断もあったのかもしれないが、少し調べれば半年で5.2万円は確実に使うことが出来るので、よほど裕福な家庭でなければ申し込まない理由を探す方が難しい。
しかし改めて考えてみると、どちらの施策についても得になるのは少し先だ。商品券はまず先に4万円支払わなければならない。つまりは先行投資というわけだ。家庭によっては、毎月の給料でギリギリの生活をしていて、5月末まで使える5.2万円のために先に4万円を用意することが出来ないのかもしれない。給料が多くても毎月ほぼすべて使ってしまう人も一定数いる。そういう家庭からすれば、どれだけお得であってもプレミアム付商品券に応募しようとは思えないのかかもしれない。
窓断熱に至っては、日々の寒さの軽減の効果を実感できるかどうか分からないし、マンションなどもともと断熱性に優れた住居であれば必要性や優先順位は高くはない。そんな中で、8割返金があるからと言っても契約のタイミングで50万円を支出しなければならず、また10年後に元が取れる省エネ対策に投資する余裕もない、という家庭も多いのだろう。
投資が出来ない事で生まれる格差
昨今、政府から国民に対して投資を促す政策が立て続けに発表されている。銀行に眠っている預貯金を経済活動に生かすこと、および年金支給の安定化が目的ではあるが、数カ月先のための投資ができない家庭が将来の不安に備えて金融資産に投資する、なんてできるわけがない。新NISAも同様で、結局は一定の給料や貯蓄がある、裕福な部類の人たちが優遇される制度であって、日々の生活に困窮していたら将来に向けた投資の余裕はないのだ。
そういった家庭では結局、その場しのぎの現金給付によって、直近の生活が潤うことが優先される。一定以上の給料があって日々の生活の心配がなければ「支持率をあげるためのバラマキ」「現金給付は根本解決にはならない」といって政策を批判するのは容易いが、問題はそう簡単なことではない。
投資が大切だということはみんな薄々とは感じている。だがそれはNISAなどを使ってお金を積み立てる、と言うことばかりではない。勉強して知識やスキルを身に付ければより価値の高い仕事について給料を増やすことができるし、自分の時間を家族や仲間のために使えば将来にわたって良好な人間関係の醸成につながり、長い目でみて幸せな人生に繋がる。お金だけではなく、時間を自分のために使うこともまた、立派で重要な投資なのだ。
だがプレミアム付商品券を買う、という選択肢をとれない人たちは、少し先の未来ですら考える余裕がない。または考えに至らない。そうして生まれる「投資する人」「しない人」の差は日を重ねるごとに広がっていき、数年後数十年後には取り返すことのできない「格差」となる。そうなる前に、プレミアム付商品券を買うために節約し、そして小さいながら未来への投資を恥じてみるのも一つのきっかけになるのでは、と思うがどうだろうか。