時間をお金に換える

お金をマネジメント
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楽天はいろいろなサービスでポイントミッションがあり、スキマ時間に広告をクリックしたり動画視聴することで1ポイントをもらえる。1ポイントだけではなにも役に立たないが1カ月繰り返せば30ポイントになってお菓子が買えるようになり、それを1年続ければ缶ビールにも手が届く。少し頑張れば1日20ポイント程度ゲットできるので、年換算すれば7,000円ポイントにもなってちょっとした外食代に変わる。実際は貰えるポイントのほとんどが期間限定で数カ月以内に使わないと失効してしまうので貯めてから一気に使うことはできないのだが、働かずに7,000円貰えると考えればポイ活も侮れない。

しかしこの7,000円は決してタダでもらえているわけではない。労働の対価として給料をもらうのと同様に、ポイントの対価として時間を奪われているのだ。クリックや動画視聴で少しずつポイントがたまる間に少しずつ時間が奪われていく。1ポイント取得に10秒かかる場合、1日200秒で年間3時間だ。3時間あれば映画が1本見れるしちょっとした自己啓発本なら1冊読めるだろう。ポイ活とは、そういった自分への投資や幸せのために使うことができる時間をポイントに替えているに過ぎない。

「時は金なり」の格言にもあるように、誰でも等しく与えられる「時間」はお金と同等以上の価値がある。お金は増やしたり節約して溜めることができるが、時間はそういうわけにはいかない。その貴重な時間に広告をポチポチやって数ポイント稼ぐのがポイ活で、さらに体力や知識を加えて対価を大きくすれば労働となる。すべての元手は「時間」なのだ。

等価交換の限界

時給制のアルバイトやパートは拘束時間×時給が給料となる。コンビニなどでは、例えお客がゼロであっても拘束される時間の分だけ給料が支払われる。客が多かったり深夜など負担の多い時間帯は交換する時間の価値が高くなるため時給も上がるが、店が得た収入に応じて時給が随時変わるわけではない。アルバイトであっても経験や能力、立場によって時給が変わることもあるが、それでも2~3倍にまで跳ね上がるなんて事はない。時給制である以上は、労働によって生み出した価値には関係なく拘束時間のみで給料が決まってしまう。

時給で給料をもらう限り、給料を増やしたければ働く時間を増やすか時給の高い仕事をするしかない。時給が高いということは拘束される時間の価値が高いということで、例えば体力的・精神的にきつかったり危険を伴うことを意味する。そしてどれだけお金が必要でも時間に限りがある以上はもらえるお金にも限りがある。労働基準法では原則1日8時間、1週間40時間までと定められていて、制限内いっぱいまで働いても、時給1,100円の場合1か月で176,000円だ。制限を超えて働く場合、企業側に残業代を支給する義務が生じ、また複数の企業間での調整も必要になるため、実際に総収入が30万円を超えることは難しい。時間は誰にも等しく、1日24時間しかないのだ。

親からの仕送りや他の家族の給料、年金の受給など他の収入があれば、空いた時間をアルバイトやパートによって有効活用して得た給料でも生活できるだろう。雇用する側もお手軽に労働力を得られるので、ある程度はWin-Winの関係が成立している。だがアルバイトはあくまで補助的な収入を得るためのもので、それだけで生活しようとするとかなり困窮することは明らかだ。時間を時給に交換しているようだと、いつまでたっても貧困から抜け出すことはできない。

ただし会社勤めすれば解決、という話でもない。毎日9:00から17:30まで働き、決められた定型作業を繰り返すだけではアルバイトとなんら変わらない。基本給はアルバイトより高くても、やはり拘束時間を基本給と交換しているだけだ。貧困から抜け出すには、如何にレバレッジを利かせるかが重要になる。

時間は投資に回せ

収入を増やす、もしくは将来に備えるためには、株や投資信託を購入して運用する、という選択肢がある。お金を銀行に預けていても雀の涙ほどしか増えないが、お金を必要としている会社に預けることで、その会社が利益を出せば配当が返ってくる。だがお金を使った投資には、当然ながら初期投資が必要だ。毎月金融商品を買って積み立てるなら、そのためのお金を捻出しなければならない。今は貯めたポイントでも投資を始められるが、1か月に数百円を投資してもなんの備えにもならない。

「時間を投資に回す」というのも基本的には同じ考え方だが、お金と大きく違うことは2点ある。1つは、時間は毎日決まった時間が与えられるため、投資のための元手を用意する必要はない、ということ。そしてもう一つは、お金を他社に預けて増やしてもらうのではなく自分の価値を高めるために自己に投資する、ということだ。自分の価値が高まれば交換する時間により価値がでるため、労働で得られる対価も増やすことが出来る。

決められた仕事や作業をこなすだけでも、続けることは自分の価値を高める可能性はある。だがそれは時給や基本給の枠組みの中での話なので得られる経験・価値には限界があり、時給を数十円アップする程度の効果しか得られない。必要なのはプラスアルファだ。決められた枠を超えたところにプラスアルファの価値がある。

バイトであっても、やり方次第でプラスアルファは得られる。業界や商品について学んだり、社員に対して手伝いを申し入れても良いだろう。時給制なので、決められた枠を超えた範囲で行った仕事に対しては特別な対価は得られず、短期的には無駄に思えるかもしれない。だがそのプラスアルファの経験は、積み重ねることで自身の価値を高める。経験し学ぶことで出来ることが増えていけば、確実に自身の価値を高めることが出来る。

そうすると、より時給の高いバイトやパートの選択肢が増えるし、会社員であれば昇給・昇格にもつながっていく。お金を使った投資は投資先の動向によって資産が減ることもあり、どうしても一定のリスクはある。だが時間を使った自己への投資は資産が減ることもないしノーリスクだ。お金に働いてもらうよりも先に、自分への投資をするほうが確実で、理にかなっているのだ。

お金を使った投資は中長期的に行うことでリスクが下がり、確実な資産形成に繋がる。時間を使った投資も同様で、短期的にリターンがあるわけではない。しかしお金と違って損をするわけではないし、どんな経験であっても意識して積み重ねれば自身の価値を高めてくれる。

時給を上げる前に、価値を高めよう

唯一必要なのは、今自分が使っている時間は「自身への投資になっているかどうか」を常に考えることだ。新しい知識や経験を増やすことだけが投資ではない。コミュニケーションをとることで人間関係を広げたり、体力をつける・リフレッシュするために運動することも自身への投資になる。疲れたら休むことだって、立派な投資だ。だらだらとスマホでゲームをしていたりSNSを見て回ることも、目的を意識すれば投資に変わる。

そうして時間を自身に繰り返し投資し、自身の価値を高め続けることで、時間をお金に換える際にレバレッジを利かすことが出来る。そしてその時に得られる対価は、時給や基本給の枠組みとはかけ離れた金額になっていく。

時給や給料の低さを嘆き昇給を訴える前に、まず自らの価値を高める努力をした方が良い。

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