2024年10月から大阪市の塾代助成事業の所得制限が撤廃され、また対象も小学5年生から中学3年生に拡大された。これにより、我が家の息子(中3)と娘(小6)も対象となり、1人あたり月額1万円まで塾やテニススクールの費用が助成される。
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大阪市からカードと申請書類が届いたのでオンライン申請を行い、9月半ばに利用パスワードが郵送された。この後は塾やスクールなどの教室にカードと利用パスワードを提示し、教室側が手続きをすれば10月分からは最大1万円分が引かれて請求されるようになる。
基本的な仕組みは以下の通りだ
①利用額の1万円は毎月、サービスの提供を受ける月の前日の16日に自動でチャージ
②教室等の定める提示期間にカードと利用パスワードを提示する
③支払う費用がカードの残高を超えた場合は超えた分の金額は利用者側の負担
④翌日の15日を過ぎると残高が残っていても消滅
⑤夏期講習・冬期講習を想定し、7・8月、12・1月はそれぞれ利用期間を2ヵ月として2万円が上限
さて、10月利用分から助成対象とは実際どういうことなのだろうか。多くの塾・スクールでは前払いが基本であり、10月分は9月27日に銀行口座から引き落とされる。10月に支払った分と10月分の費用、どちらが助成されるのか申請書やカードと同封の書類を見ても分からなかった。だが10月分が引き落とされる前に手続きをしておいた方が良いかもしれないと思い、すぐに塾とテニススクールにカードとパスワードを持って行った。
塾では10月引き落し分から減額される
カードとパスワードを塾の受付に提示すると、手続きが出来る人が離席しておりしばらく待つように言われた。一定の権限が必要なのかと思ったが、戻ってきた担当者は若手の一教師であり、特別な権限があるようにも見えない。そして実際の手続きの様子から、ただのパソコンの操作をできる人がその人しかいなかっただけのようだ。塾代助成の利用拡大に現場が追いついていないのだろう。
10分ほどで手続きが完了し、手渡された「大阪市習い事・塾代助成カード利用通知書」と書かれた紙には”利用日時:2024年9月17日”、”カード利用月:10月に提供したサービス対価”と印字されていた。そして手続きの内容と今後の対応について説明を受けた。
・毎月の請求額は10日締め27日請求のため9月引き落し(10月分)は請求額が確定しており、
10月引き落し(11月分)から1万円引いた金額の請求となる
・毎月、月の後半から翌10日までにカードの提示が必要
※11月引き落し(12月分)であれば、10月16日~11月10日
毎月の塾代は1万円を超えているので、大阪市からの助成金を差し引いたあとで請求額が確定するようだ。そして残念ながら9月中に手続きしても適用は10月引き落し分からだった。毎月10日までにカードを提示して、16日にチャージされた助成金によって27日請求分から減額される、という流れだが、ではカードがら1万円が引かれるタイミングはいつなのだろうか。一時的に2万円分に残高が増えるような気がするが、月額の使用上限が1万円までなので1万円分はずっと残高が残ったままで使用できないのではないだろうか。
数日後改めて、塾から全保護者にむけて塾代助成についての通知があった。
・10月10日までに新カード・パスワードを提出(塾で一次預かり、手続き後に返却)
・毎月20日~翌月10日の期間に新カード・パスワードを提出を提出
・月末の引き落としから「利用額」分を差し引いて請求
例:大阪市塾代助成 11月分 → 11/27請求(12月分月謝)に適用
おそらくは私以外の保護者からもカードの提出や問い合わせがあったのだろう。担当の教師が都度対応するようでは混乱が生じるし、その教師も授業どころではなくなってしまうため、カードとパスワードを一旦預かってまとめて処理することにしたようだ。
テニススクールは9月引き落し分がキャッシュバック?
9月中に手続きをしても適用が10月支払い分から、ということなら何も焦って手続きをする必要はない。とはいえあえて先延ばしする理由もないので、息子の分の助成金を受け取るためにテニススクールにもカードとパスワードを提出した。
塾と同様に誰でも手続きが出来ると言うわけではないようで、奥からベテラン?の受付スタッフが出てきたのでカードと利用パスワードを手渡した。そして手続きの後、テニススクールの説明は、塾と幾分異なっていた。
・10月分について、9月27日の引き落しが確認できた時点で助成分をキャッシュバック
・月謝が1万円未満のため、11月分からは口座自動引き落としは停止
・11月分からは毎月10日までにカードを提示すること。提示がなければその月の月謝は現金払い
・ただし10月分は提示済みなので再提示は不要
・年会費の支払い月など、請求額が1万円を超える場合の差額は現金払い
テニススクールでは9月に先払いした10月分の月謝から適用してくれるのだ。中学三年生の息子はあと6カ月間しか助成が受けられないので、10月分のキャッシュバックは大変ありがたい。
そしてテニススクールからも数日後、保護者に対してメールでの連絡があった。
・大阪市内在住の全ての小学5年生から中学3年生が対象
・ご利用になるお客様はフロントにてお手続き
・助成は月額1万円が上限(上限を超えた場合、月をまたいでの合算は不可)
塾と比べて詳細の記載がなく、都度フロントのスタッフが説明を行う想定なのだろうか。毎月のカード提示やキャッシュバックについても触れられていなかった。
塾とテニススクールの違いについての考察
各書類や教室側の説明から、おそらく毎月の助成金の処理は以下のようになっている。
① 毎月10日までに利用者が教室にカードを提出、教室から大阪市に助成金を申請
② 毎月16日に、利用者のカードへ翌月利用分の助成金がチャージ
③ 毎月16日以降、大阪市から教室に、助成金充当分の金額を支払い
④ 毎月16日以降、助成金を減額した差額の月謝を教室から利用者に請求
(塾、テニススクール共に引き落しは27日)
⑤ 利用対象月の翌月15日に、チャージ残高が消滅
※ 10月分は9月16日にチャージされ11月15日に消滅。その間は助成金を月謝に充当可能。
9月16日にチャージされた助成金を10月利用分(9月支払い)から適用し、その後も毎月チャージされた分をその月の請求予定の月謝に充当するのが本来の姿なのだろう。だがそうなると、9月請求分は利用者がすでに支払っているため、テニススクールのようにキャッシュバックの対応が必要だ。
<本来の運用(テニススクール)>
9月16日チャージ(10月分) → 10月分を9月27日請求分に充当(キャッシュバック)
10月16日チャージ(11月分) → 11月分を10月27日請求分に充当
テニススクールの生徒は小学校低学年や大人が大半であり、助成対象となる小学5年生~中学生はかなり少ない。そのため助成金利用開始の手続きの負担もそこまでたいしたことはない。
だが娘の通う塾の5~6年生は100人を超えている。利用開始手続きだけでもかなりの負担となる上に、キャッシュバック用に100万円以上の現金を塾に置いておくのは危険極まりない。また子供だけの通塾が大半なので子供に直接1万円ずつ渡すのも訳にもいかず、保護者に受け取りを強要したり個々で振込みを行うのも現実てきではない。キャッシュバックが出来ない以上は、塾での助成金利用の運用は1か月ずれた形にせざるを得ない。そのため最初にチャージされた1万円は、塾の月謝支払いに使用されることはない。
<1か月ずれの運用(塾)>
9月16日チャージ(10月分) → 使用せず、残高1万円
10月16日チャージ(11月分) → 10月分を10月27日請求分に充当
11月16日チャージ(12月分) → 11月分を11月27日請求分に充当
漏れなく助成金を使うには
もし助成金を漏れなく活用したいのならば、複数の習い事の教室に対して利用の手続きを行うしかない。助成金を活用して習い事を増やす、というのは間違った考え方ではないので、子供が希望するのならそういった選択肢もありだろう。専用のサイトから利用状況を検索すれば、どの月の分を利用したかが確認できる。
https://juku-osaka.com/portal/usage_search.html/
だが我が家の場合、娘は2026年1月までは中学受験まっしぐらだ。受験が終わった後でテニススクールや他の習い事を始めるかどうかは、その時にまた考えればよいだろう。助成金はあくまで助成金であり、損得勘定に振り回されて判断を誤らないよう、冷静でありたいと思う。