アピールの大切さ

ビジネススキルをマネジメント
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日本人はアピールや自己主張するのが苦手だ、と言われる。あえて声高に自分の成果をひけらかさずに成果を出すのが好きな国民性だ。良い仕事をすればお天道様が見てくれる、とでもいうのか。また和を乱すことを避けて「No」を言わない、という傾向もある。

しかし仕事で成果を正しく評価してもらおうとするなら、アピールは大切だ。それは評価する側も「お天道様」ではなくただの人間で、しかもみんな基本的に自分のことが第一だからだ。もちろんできる上司、よく見て気づいてくれる評価者もいるだろうが、みんながそうではない。がんばれば誰かが分かってくれる、というものではない。自分のことを一番よく分かっているのは自分だ。すべてを理解してもらえるなんて過度な期待をしてはいけない。損をするだけだ。

業績評価

多くのサラリーマンは、毎年期初にその年の目標をたてて上司と合意し、期末に成果を振り返る。ここで目標の建て方にコツがある。できて当たり前の目標であれば、達成することが当たり前になるのでたいして評価がされない。逆にちょっとした想定外でその目標が未達となれば大きく評価を落としかねない。それであれば、まずは普通にやれば達成できる目標を一つ設定し、追加で自分が努力し貢献することで達成できればプラスアルファの成果が出る、という内容にする。こうすることで、頑張ったことがプラスの成果として評価されやすくなる。もちろん、目標に向かって頑張ることは評価を得るために大前提だが、頑張りが評価されにくいのはもったいない。

期末には、自分の役割が何でどんな働きをしたからその目標が達成できたのかを評価者に伝える。嘘がなければ少し話を盛ってもよい。チームで仕事をしていてチームとして成果が出た場合、そのチームに所属していたという事実だけでは足りない。上司や評価者ならわかってくれると期待してもいけない。見ていてくれたらラッキーで、自分の働き・成果はちゃんと自らが伝えないといけない。部下やほかのメンバを手伝ったのならそれも自分の成果の一つだが、間接的な部分は評価者からは見えにくい。

もちろん伝え方には配慮がいる。「自分がすべてやりました」といった偏った報告をすると、他の人の報告内容とのバランスを欠くので、「レビューをした」「相談に乗った」など、間接的な働きをわかりやすく具体化したほうが良い。

期末の成果報告の期間にその年の成果を振り返ろうとすると、半年以上前のことは記憶があいまいになることもある。中間の振り返りがあればまだよいが、そうでなければ自分の成果を書き残す、または期初の目標を定期的にチェックし成果を順次記入していけば、報告漏れを防げる。自分ですら忘れている成果を上司・評価者が覚えてくれているわけがない。

また、問い合わせ対応や他部・顧客からの依頼作業についても、作業の重要性に応じてアピールすることを忘れてはいけない。日々粛々とこなしている手慣れた作業は「できて当たり前」で評価者からはほとんど見えない。でも対応が漏れればトラブルとなり業務に影響が及ぶことがある。自分では「たいしたことない」と思っていても、重要な作業であればそれを滞りなくやったことは評価されてもいい。

日々の報告・共有

先日仕事でちょっとしたトラブルがあり、ベンダーのリカバリ対応を待っていた。急を要する対応だったので3時間ごとに報告をもらっていたのだが、18時に出てきたリカバリ結果が芳しくなかった。別のシステム担当の対応が必要になるので、翌朝9時から作業を行うよう依頼した、という。リカバリ期限は二日後だったが、翌朝9時の再開で期限内の対応見込みはあるのか、と確認すると「やってみないとわからない」という答えだった。

そこからしばらくベンダーからの報告がなくなった。夜間で連絡もとれないので、ベンダーの作業がうまくいくのを信じて待つしかないか、と半ばあきらめていた。しかし実はベンダー内で調整をして、別システム担当が急遽夜勤してリカバリ作業を継続してくれていた。おかげでリカバリは期限内に無事完了し、トラブル対応は事なきを得た。

結果的にはよかったのだが、ベンダーの対応としてはもったいない。せっかく前向きに調整に動いていたのに、その状況をこちら側と共有していなかったために、いらぬ不信感を抱かれてしまった。調整がうまくいかない可能性がある、と考えたのかもしれないが、その状況含めて共有してくれた方がありがたかった。また、悪いことや未確定事項を報告・共有してくれれば、こちら側でできることもあったかもしれない。トラブル中であれば、選択肢は多いに越したことはない。

結果はどうあれ「頑張ってます」という状況を相手に伝えることは、それだけで安心感と信頼を生む。なにも言わなかったことで間違った方向に突き進んでしまうこともある。そうなると本当にもったいない。頑張ったことが評価されるどころか評価を落とすことにもつながる。

アピールはビジネスマナー

報告・連絡・相談はビジネスマナーのイロハだが、自己アピールや状況の共有も同じこと。仕事を円滑にすすめ、頑張ったことをちゃんと評価してもらうために、日々心掛けが大切だ。

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