アドバイスが小言になると逆効果

家庭をマネジメント
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常日頃、相手を責めるような口調・ニュアンスにならないように心掛けている。家庭でも仕事でも、相手を責めることの利点はほぼない。マウントを取って優越感に浸ることができるかもしれないが、相手に不快感を与えてしまえば信頼関係を築けない。また、相手を責めたあとで非がこちらにあることが判明すると立場を悪くし、ますます信頼を失ってしまう。こういったことが重なれば、仕事においては組織運営やプロジェクトに悪影響を及ぼすこともある。家庭でも、夫婦間や家族間の雰囲気が悪くなる。

相手の立場に立って考える

相手にも事情があるので、まずそこを理解できれば自ずと対応が変わってくる。

なにかミスをされて迷惑をこうむった場合でも、ミスがあったことそのもの、そして原因を責めるべきであり、ミスした人自身を責めてはいけない。あくまで皆、まじめに精一杯仕事をしているのだと前提を置く。また、誰もがミスしたいとは思っていない。ただ何かが足りなかったからミスが起こるのだ。その足りないものは、自分で気づいて改善するのが一番効果がある。だからミスを責めるより、改善を促を要請する。

こちらの依頼にすぐに対応してもらえないときも、感情的に相手を責めても良いことは何もない。依頼する時点でこちらの立場が低いことが多いので、分かりやすく丁寧な依頼を心掛ける。相手は日々大量の依頼・問い合わせを対応しているのかもしれない。それなら少しでも優先度を上げてもらうよう、依頼時に重要度・影響・期限を明示する。そして期限に遅れそうなら、状況確認をする。多くの依頼に忙殺されて対応が漏れてしまっているのかもしれない。だがそこには決して悪意があるわけではない。

プロジェクトにおいて、ベンダの言い分に筋が通っていないこともある。そういう時でも必ず何か理由がある。お互いに認識相違や思い違いがあるのかもしれないし、上席からの指示に困っているのかもしれない。そういう状況でこちらの言い分をぶつけて論破できたとしても、根本の理由・原因・課題を解決しなければ前には進まない。契約を盾に無理を通しても、相手に過度に無理があればプロジェクトに綻びが生まれ、それがきっかけとなって破綻することもある。逆に相手の立場や背景、事情を共有・理解して一緒に課題解決ができれば、会社間であっても信頼関係を醸成できる。人は借りは作りたくないので、どこかで借りを返してもらえることもある。それはそのプロジェクト内ではないかもしれないが、困ったときに助けてもらえる人が増えるに越したことはない。

もちろん、相手に悪意があったり契約不履行となる場合には、しかるべき手段が必要なこともある。だが多くは相手の立場をに立って考えることで解決する。しかるべき手段は手間ひまがかかってお互いにダメージがあるので、最後の手段にしておきたい。

聞く耳を持たない子供には、まず聞くこと

アドバイスや注意をするときも、同様に配慮が必要だ。

子供のテストの結果が悪かったら、まずは話を聞くことから始める。その際に気をつけなければならないのは、ダメだしをしたり叱ったりしないことだ。話したがらずダンマリしていても、口調を荒げてはいけない。子供からすればテストの点が悪かったというだけで不快なのに、そのうえさらに叱られるのはたまったものではない。さっさと切り上げて現実逃避したいだろう。人は誰でも褒められればうれしいし、叱られるのは不快だ。

そのため、まずはどんな結果であっても努力を労うところから始める。次に良かったところを見つけて褒める。前回よりも良かった教科、平均点より良い教科、またテスト前に頑張っていた教科などを認めて褒めることが重要だ。ここで承認欲求を満たし状態で、現状を共有する。点数や偏差値が下がった教科があれば、まずはその事実を認識し、原因を考えさせる。ここでもダメだししてはいけない。良くなかったところや改善点に子供が自ら気づくよう誘導するのだ。

そのあと、今後どうしていくかを決める。ここで自分の成功体験を押し付けるのもNGだ。時代も状況も原因も違うし、成功体験は自慢にも聞こえるので伝え方を間違えると逆効果となる。参考例として紹介するのはよいが、マウントを取りに行って優越感に浸って優越感に浸っている場合ではない。目的をはき違えてはいけない。アドバイスのつもりでも、それを子供が「小言」だと受け取ると効果はない。自らが改善点を認識し、解決先を決めなければ実行力にはつながらない。

嫁からの小言を考える

家庭では私も嫁から小言を言われることがある。

「針金の細いハンガーは使いにくいので使ってほしくない」
「ティファールでお湯を沸かす際に入れる水の量が多くて溢れる」
「靴を脱いだら靴箱に入れる」

などなど。言っていることはもっともで、確かに気をつけて改善したほが良いことは分かる。「そうだね、次からは気をつけるよ」と返せば嫁の溜飲も下がるのだろう。だがたいていはイライラを伴った小言を聞くと不快感が先にきて、快く応対することができない。分かっていてもやはり小言は気持ちが良いものではなく、素直に聞く耳をもつことができない。欠点を指摘されてダメだしをうけて、マウントを取られるのが嫌なのだ。そう気づいたとき、私も子供に似たようなことを言っていたのだと気付いた。

家庭でも仕事でも、問題や不都合があれば改善するほうが良い。ただ、言い方ひとつで相手の行動、結果は大きく変わってくる。良かれと思ったアドバイスであっても、それを聞く相手の立場に立って、小言になっていないかを考えてから発言しなければ、思うような結果にならないので要注意だ。

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