年末調整とマイナポータル

お金をマネジメント
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年末調整の時期だ。

私の勤め先では数年前から年末調整のWeb申告が可能なクラウドサービスを使っているため、昔のように悩みながら手計算をする必要はない。また去年で住宅ローンの支払いが10年経ち住宅ローン控除申請も終わったため、今年は手書きが一切不要になった(住宅ローン控除は10年前に役所から届いた書類を毎年提出する必要があった)。

10月後半に各保険会社から届く保険料控除証明書を確認して必要事項をWeb入力し、その結果を印刷して控除証明書を貼って人事部に社内便で送れば完了する。嫁の勤め先はまだ手書きベースで手続きする必要があり、それに比べればWeb申告はずいぶんと楽だ。だがそれでも複数の保険情報を手入力するのは煩わしいし、ペーパーレスの時代に複数の控除証明書をペタペタ貼るのも面倒くさい。

そこで今年から電子ファイル(xml)での申請に切り替えることにした。実は2020年から年末調整手続きの電子化はスタートしていたらしいが今まではほとんど意識していなかった。各保険会社の対応が遅れていたのかもしれないが、今年は控除証明書のハガキにやたらと「ペーパーレス」「電子化」の文言が目についた。そしてまた勤め先からの年末調整の通達にも、利用しているクラウドサービスも電子申請に対応していることが記載されていた。すでに環境は整っていた。

保険料控除証明書の電子化とマイナポータル連携

令和3年(2021年)から一部企業による法定調書の電子化が義務化されたこともあり、私が契約している保険会社はすべて保険料控除証明書の電子化に対応していた。

そしてハガキで届いた控除証明書には「電子データ」だけでなく「マイナポータル連携」という言葉も目に付いた。調べてみると控除証明の電子データは各保険会社のサイトからをダウンロードする以外にマイナポータルに連携して一括で取得することもできるらしい。

ただし現時点ですべての保険会社がマイナポータルに連携しているわけではない。私の契約している保険会社の対応状況は以下の通り、今のところオリックス生命のみ連携ができないようだ。だがマイナンバーカードを活用するサービスの拡大は国策に近いので、そう遠くない未来には連携可能になるだろう。

三井住友海上あいおい生命連携可
オリックス生命連携不可
アフラック連携可
チューリッヒ生命連携可
マニュライフ生命連携可
メットライフ生命連携可
保険料控除証明書の電子データを取得する

保険の電子データは、各保険会社のホームページから契約者用サービスからダウンロードする。そのため初めてログインするサイトは保険契約番号や生年月日、電話番号を入力してアカウントを作成するところから始めなければならず、また各社で電子データ取得までの道のりが異なるため、思ったよりも時間がかかった。

チューリッヒ生命で私が契約している保険はマイナポータルからのダウンロードしかできなかったが、それ以外の5社について電子データ(xmlファイル)を取得した。各社のページレイアウトは様々だが、”保険料控除証明書”という言葉を探せば目的のページまでたどり着くことが出来る。

https://www.msa-life.co.jp/
https://www.orixlife.co.jp/
https://www.aflac.co.jp/
https://www.zurichlife.co.jp/
https://www.manulife.co.jp/ja/individual.html
https://www.metlife.co.jp/
https://www.aig.co.jp/sonpo
マイナポータルへの連携もやっておく

マイナポータル連携といっても実際は外部サービスの「e私書箱」との連携であり、さらにマイナポータルと「e私書箱」を連携させることで、マイナポータルにアクセスするだけで「e私書箱」から各社の電子データを取得することが出来る。

来年度以降を見据えて、チューリッヒ生命に加えて現時点で連携可能な5社についてもマイナポータルへの連携設定を行うことにした。

https://e-shishobako.ne.jp/resources/pages/esapos8030.html

①マイナ手続きポータルにログイン

マイナポータル連携のためには、各社毎にマイナ手続きポータルにログインする必要がある。ログインID(メールアドレス)とパスワード登録が必要でありかなり煩わしいが、ページの作りや手続きが統一されてるだけマシだ。一回登録するだけだろうから、パスワードはすべて統一しておいた。

なぜか三井住友海上あいおい生命保険だけ背景が異なっている。

マイナ手続きポータルの利用はマイナンバーカードによる認証が必要なため、専用のリーダーを持っていない限りはスマホでの手続きが必須となる。またマイナンバーカード利用にあたっては利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)を何度も入力する必要があるので失念している人は要注意だ。

②e私書箱連携

各社のマイナ手続きポータルに本登録を行ったら、次はe私書箱との連携だ。何度もマイナンバーカードのパスワード入力とスマホにカードをあてる操作が求められて若干ストレスを感じる。スマホで生体認証しているのだからせめてパスワード入力の回数はもっと少なくても良いと思うが、セキュリティレベルを下げるのは難しいかもしれない。

だがそれ以外は流れに沿って操作をしていけばよい。マイナ手続きポータルからの操作は一旦これだけで終わりだ。ただし5社分それぞれ手続きをしなければならないので、それ相応に時間がかかる。

③マイナポータルからの連携

各社サービスとe私書箱の連携が終われば、最後はマイナポータルとe私書箱の連携だ。マイナポータルにログインすれば「年末調整」メニューから連携状況リストを確認できる。

細かい順序は記憶があいまいなのだが、この時点ですでにe私書箱が連携されていた。あとはマイナポータルから電子データ発行サイト(保険会社)を連携させるには、「生命保険」や「地震保険」といった種類ごとに対応している保険会社を選択していけばよい。

あとは企業側での処理と、電子データ連携手続きが終われば完了メールが届くので、そこに記載されたURLにアクセスして完了手続きを行えばいい。途中経過はマイナポータルから確認できる。

手続き状況によって「手続完了」「処理中」「未完了」のように異なるステータスが表示される。

今後は、各保険会社から保険料控除証明書発行のメール通知が来たあと、マイナポータルの「お知らせ」からe私書箱にアクセスして証明書をダウンロードすることになる、はずだ。

Web申告は手間もかからず漏れも防げる

入手したxmlファイルをWeb申告用のサイトからアップロードし、そのあとは「生命保険」や「地震保険」と言った種類ごとに入力完了か手入力があるかをチェックしていくだけで今年の確定申告は完了した。事前準備は手間取ったが、実際の申告手続きは10分もかからなかった。控除証明書の紙媒体での提出が不要になったため、提出用台紙を印刷して証明書を糊付けする手間からも解放された。マイナポータルに連携したことで来年から各保険会社サイトにログインする必要もなくなるので、もっと楽になるだろう。

紙に手書きをしていた時は不備修正・再提出、控除証明書の紛失再発行などでドタバタし、年末調整の時期はかなり億劫だった。何度読んでも良く分からず、たぶん大丈夫・・・かな?と不安に思いつつ手続きを行った日々は過去のものだ。WEB申告によって手計算はなくなり、電子ファイルアップロードによって手入力箇所もすべてなくなった。

数年前に申し込んだがん保険が看護医療保険に該当することを知らなかったため昨年は申請を漏らしてしまっていたが、今年は自動で振り分けしてくれたおかげで約3万円を控除額に計上することができた。これからは細かい事は気にせず、取得した電子データをすべて取り込んでしまおう。そのあとさっと最終確認するだけで良い。

以前、河野元デジタル大臣が「いずれ年末調整はなくなる」といった発言をしていた。そして現時点で保険料控除証明書が電子化され、マイナポータルへの連携まではできるようになった。このままいけばそう遠くない未来に、確定申告が扶養な労働者は「控除証明書の電子データ取り込み」といった作業すら不要になるかもしれない。そうすれば「年末調整」は年末のイベントではなく、課税金額算出のための一つのステップに過ぎないものになる。

マイナンバーカードを使っていこう

少子高齢化で労働力も減少しているなかで、これからの行政サービスはマイナンバーカードを利用していかなければ品質と安定の維持が困難になっていくことは間違いない。マイナンバーカードには課題も多いが、うまく使えば年末調整のような作業が効率化・省力化することができるし、その他にもこれまで役所に行かなかければならなかった手続きが自宅で須磨をを使って完結するようになるなど、今後もさまざまな場面で、マイナンバーカードが活用されていくだろう。

それなら今から積極的にマイナンバーカードやマイナポータルを利用し、使い方に慣れていくとともに便利さを享受しておいたほうが良い。保健証や免許証のマイナンバーカードへの切替についても、期限ぎりぎりまで引っ張るのではなく、話題性があるうちに先陣を切って利用していこうと思う。不安も不満もあるが、政府や関連サービスを過信せずに利用者側でも十分に注意して使っていくことである程度はリスクヘッジは可能だ。

逆にリスクを過度に恐れて動かなければ情報化難民となり、利益を享受できないばかりか様々な不利益を被ることになっていくだろう。もう日本は少しずつだが確実に、そういった国になっていくのは間違いない。

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