道ですれ違った人が眉間にしわを寄せて、難しそうな顔をしていた。スマホで不機嫌そうに会話をして歩いている。なにか困ったこと、気を悪くすることがあったのだろうか。
眉間のしわは、自分で意図的に作っている
眉間にしわを寄せるかどうかは自分の意志だと思っている。顔の表情は無意識に変化すると思われがちだが実はそうではない。コントロールできないほどの感情の起伏を伴う場合を除けば、たいていは自ら意識的に表情を作っている。
眉間にしわを寄せるのは、会話する相手や周りに対して自分の不満・不機嫌さを伝えるためだ。また、周りだけでなく自分自身に対する「いま自分はネガティブな状況にいる」というアピールであり、その状況に浸りたいがために、あえてその表情を作っているのだ。眉をひそめるだけでなので、誰もが苦労せずにできてしまう。
そしてこの行動・習慣がクセになると、特にネガティブな状況でないにも関わらず眉間にしわを寄せた状態になる。そして周りから「あの人いつも不機嫌そう、近寄り難い」と思われてしまう。また、自分自身でも、常にネガティブな状況にいるように錯覚してしまう。
眉間にしわを寄せても、困難な状況が改善するわけではない。周りが察してなにかフォローしてくれる場合もあるかもしれないが、多くは逆に周りに不快感を与えて雰囲気を悪くするだけだ。眉間のしわから幸せが逃げて行ってしまう。
自分の表情を意識する
自分がどんな表情をしているか、意識しているだろうか。表情は、会話の相手や周りに対して大きな影響を与える。コールセンターのオペレータは、常に自分の表情を確認できるように目の前に鏡を置いていて、電話応対であっても笑顔を心掛けている。ネガティブな表情をしていると、ネガティブな感情が声や言葉に乗って周りに伝わってしまうのだ。
洗面所などで自分の表情を見る機会があったら、鏡の中の自分と目を合わせるようにしよう。眉間にしわが寄っていたらすぐにやめること。眉間の力を抜くだけで無表情になる。それから口角を少し上げれば、それだけで自然な笑顔の出来上がりだ。
洗面所に行くたびに自分の表情をチェックし、意識して笑顔に変えることができるようになれば、次は仕事中の自分の表情を意識してみよう。オペレータのように鏡を手元に置いておくのが一番だが、パソコンにカメラがあれば自撮りしてもよい。私の会社では顔認証でログインする際に画面に自分の顔が映るので、そこで定期的に表情を確認できる。そこでも眉間の力を抜いて口角を少し上げる。
表情が人生の成功を左右する
ネガティブな表情を控えることは、ネガティブな感情を抑えることにもつながる。困ったことやイラっとすることがあっても、少し間をおいて笑顔を作る。それだけでリラックスできるし、冷静さを取り戻し心に自然と余裕も持って対処できる。感情にまかせて対応しても、なにも良いことはない。
会話の相手だって、怒ったりイライラしている人との会話は居心地が良いものではないのだ。笑顔の人との会話していれば、その相手も自然と笑顔になって楽しくなるものだ。同じ要件を伝えるのでも、会話の雰囲気によって結果や効果が大きく変わるだろう。
もちろん、いつもニコニコ笑っていればよいというわけではない。こちらに非があって反省・謝罪の意志を表現するべき場合もあるので、状況によって表情をコントロールすることも大事だ。それでもやはり、眉間のしわは必要がない。
朝から変えてみよう
朝起きたら、洗面所で自分の顔をチェックし、そして家族には大きな声で元気よく「おはよう」と言う。会社でも、出社してオフィスに入る前に自分が不機嫌そうな表情をしていないかを意識し、軽い笑顔で同僚や上司に挨拶する。
それだけで自分も一日を気持ちよくスタートできるし、まわりにもよい影響を与えて人生が好転する。「眉間にしわを寄せない」だけですべてが変わっていくと言っても過言ではない。
だまされたと思って、お試しあれ。