仕事と家庭、どちらが大事か

人生をマネジメント
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仕事と家庭、どちらが大事かという議論は結論がでない。個人によって意見は違うので正解がない。どちらか一方が他方より大事というものではないからだ。

最も大事なものは「自分が幸せかどうか(well-being)」であり、「家庭」「仕事」は「幸せ」というゴールに到達するためのタスクだ。ほかにも「健康」や「趣味」など、個人差はあるにせよ様々なタスクで人生は成り立っていて、人は皆「幸せ」を実現するためにタスクに取り組んでいる。重要さ、大事さで評価しようとしても、各タスクはどれも欠かすことはできない。

幸せとは、欲求が満たされることだ。幸せの前に欲求がある。人間の欲求については「マズローの法則」という有名な心理学理論がある。

<マズローの欲求5段階説>
①自己実現欲求:何かを成し遂げたい、自分らしく生きたいという欲求
②承認欲求:認められたい、尊敬されたいという欲求
③社会的欲求:友人や家庭、会社などの集団に所属し安心感を得たいという欲求
④安全欲求:心身ともに安心・安全な暮らしへの欲求
⑤生理的欲求:生命活動維持な基本的・本能的欲求(食欲、排せつ欲、睡眠欲など)
※⑤→①の順に高次元

人間の欲求は5段階あり、低次の欲求が満たされるごとにもう一つ上の欲求を持つようになる。逆に、低次の欲求が満たされない状況で高次の欲求を持つことはできない。

この法則をもとにすれば各タスクの役割・目的が分かる。そしてそれらをうまくマネジメント(管理)することが「幸せ」の実現にもつながる。

健康タスク

健康であることはすべての土台だ。「生理的欲求」「安全欲求」という低次の欲求に直結し、健康でなければ高次の欲求を持つことができない。また健康を損なうと「自己実現」や「承認を得る」ために高いパフォーマンスを発揮することが難しくなる。

事故など突発的な原因を除けば、健康維持には日々の積み重ねが大事だ。リスクが高くなる行動はできるだけ避けて、リスクが顕在化しないように先手を打って対処する。常日頃から食事、睡眠、運動に気をつけたい。健康タスクに代替案や問題発生時の回避策もない。定期的なメンテナンスも忘れなく。

ただし、健康なだけでは幸せは実現しない。土台の上に何を建てるかは他のタスクの役割だ。

家庭タスク

家庭は既婚者にとって最小かつ最も身近な社会集団であり「社会的欲求」の源泉だ。また家族で食事や娯楽、イベントを楽んだり、問題や困難を乗り越える、または共有することは「承認欲求」を満たすことになるし、「自己実現」に繋がることもある。逆に家庭環境・家族関係に問題があれば「安全欲求」が損なわれ、心身の余裕がなくなるため、高次の欲求に悪い影響をあたえる。

最小の社会集団だからこそ、その構成メンバには代わりがいない。親としての役割は一般的には父親か母親のどちらかが担当しなければいけない。家事、育児、家庭内の雑務はメンバ(家族)の誰かがやらないといけない。ここでの不公平感は後々のトラブルのリスクになる。ただし細かいタスクについては誰がやるかを明確に決めないほうが良い。家族メンバが主体的かつ積極的に共同で個々のタスクに取り組むことが大事だ。「それはお母さんの仕事でしょ」なんて禁句を言ってはいけない。家事は仕事ではないのだ。積極的に家庭タスクに取り組むことで、信頼関係が作られる。

また、仕事タスクのせいで家庭タスクを疎かにしてもいけない。他のタスクを優先すべき状況もあるが、その際は後からリカバリするか、前倒しするかを家庭内で調整するのだ。そして調整の難易度は信頼関係があるかどうかに左右されるので、家族の間であっても信頼感を損なうような振る舞いは慎みたい。言わなくてよいことは言わないほうが良いし、嘘をつかざるを得ない場合は最小限にしかつ決してバレてはいけない。

仕事タスク

仕事はお金を稼ぐ手段ではあって、お金を稼ぐことが目的ではない。稼いだお金を家庭や健康、趣味など、幸せの実現のために使ってこそ意味がある。また仕事は「所属欲求」「承認欲求」「自己実現欲求」を満たしてくれる。良い成果を出せば顧客や上司から褒められるし、自分が考えたことがうまくいけば達成感も得ることができる。望んだ仕事でないとしても、前向きに取り組めば仕事はただの作業ではなく、欲求を満たす手段になる。会社が社員の仕事に対して給料を払うということは、その仕事が会社に利益を与えているのだ。その仕事によって誰かが喜んでいることを知れば、仕事を通じて「承認」と「自己実現」を得ることができる。

お金をもらう以上は責任が発生する。ギブ&テイクの関係だ。しかしすべてを仕事に捧げる必要はないし、給料に見合わない責任を背負い込む必要もない。会社は家庭よりも大きな社会集団なので、自分以外に仲間がいる。一人で抱え込まない、人に頼るなど、リスクを減らす心がけが大事だ。他のタスクの影響によって自分がその仕事を進められない状況になったときのプランBを持っておけば、いざというときの選択肢が増える。

責任があるからこそ、顧客や会社に迷惑をかけない準備が大事になる。

まとめ

お金を稼ぐことは、現代においては重要なファクターだ。資本主義社会ではお金がないと困ることが多い。幸福の実現のためには、お金があったほうが都合が良い。ただ、繰り返すがお金を稼ぐことがゴールではない。仕事のために家庭や健康を犠牲にし続けたら「幸福」というゴールにはたどり着かない。しかし仕事以外のタスクを優先しすぎると稼ぎが減ったり、仕事から得られる欲求が損なわれる。

「健康」「家庭」「仕事」以外にも管理すべきはたくさんあって、どれも重要だ。そして各タスクを適切に管理し、人生というプロジェクトを円滑に運営することが「幸福」の実現に繋がる。プロジェクトメンバ(自分、家族、会社等)を大事にし信頼し感謝する。タスクごとの目的、スケジュールを見える化し、メンバと共有する。一人ですべてはできないしその必要もない。サブタスクを各メンバに振り分けることも大事だ。一つのタスクに問題が発生したら、他のタスクを調整して問題解決にあたる。

やはり人生は壮大なプロジェクトだと、あらためて思う。

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