
今年に入ってしばらくスマホの買い替えを検討していたが、7月に前の機種の利用期間が3年を越えたタイミングでようやく新機種Aquos sense9に切り替えた。
Android OSで設定しているGoogleアカウントを継続利用すれば機種変更にともなう各種設定、利用アプリの再導入はとても簡単でアプリもほとんどそのまま移行できる。電子マネーや銀行、LINEは旧スマホで切り替えの対応をする必要があるが、それらも各アプリの指示に従うだけで良い。
ドラクエウォークは移行せず
移行自体は数時間で終了し、その後で新機種に標準でインストールされていたアプリと一緒に、一旦移行したアプリについても断捨離をした。
断捨離は数か月以上利用しておらず、今後も使うことはない or 使う時はインストールし直せばよいものが対象だ。そして私はこのタイミングでドラクエウォークも削除することにした。
ドラクエウォークは2019年にリリースされた。私はすぐにダウンロートし、以降はほぼ毎日ログインしてイベントやレベル上げを楽しんでいた。ウォーキングすることでゲームを進められるというコンセプトが私の生活スタイルともマッチした。通勤やその他の移動の際はドラクエを起動して歩数を稼ぎつつオートでバトルを行い、暇な時間に福引を引いたりストーリーをこなす。義務感・やらされ感なくマイペースでゲームを進める事ができるし、ストーリーや新機能の拡充、定期的なイベント開催もあって運営会社(コロプラ)からはユーザビリティ・ホスピタビリティも感じていた。課金しなくても十分に楽しめるところも評価していた。息子とともにバトルに参加したり、たまに娘を巻き込んで3人で外に出てイベントを楽しんだこともある。おそらくこれまでで一番長く遊んだスマホゲームだったろう。
ドラクエ自体は1986年にリリースされたファミコン用のRPGソフトだ。その爆発的なヒットによって以降はシリーズ化され、現時点で11作がリリースされている(12作も製作中らしい)。私も子供のころによく遊び、それがドラクエウォークを始めたきっかけにもなった。
モンスターを倒してレベルを上げればキャラが成長して強くなる。ゴールドを集めて協力なアイテムを購入し、また宝箱からはレアなアイテムがゲットできる。謎解きの要素もあり、ベースとなるストーリーも、登場するモンスターたちもどれも魅力が溢れていた。シリーズを重ねるごとにゲームのシステムも進化し、戦士や魔法使いといった職業と転職、倒したモンスターが仲間になるなど、今では当たり前の機能・概念が次々と実装され、スマホがなかった時代の娯楽の中心にドラクエがいたといっても過言ではないだろう。そのドラクエが舞台の位置情報RPGが面白くないわけがない。特に私たちファミコン世代、ドラクエ初期世代はなおさらだ。
さすがにリリースしてから6年も経てば若干のマンネリ感が出てくることは否めないが、それでも高い品質を維持し面白いゲームを提供し続けるのはコロプラの企業努力のたまものだ。
少しずつ確実に時間を奪われることへの不安
だがそれでも私はドラクエウォークを引退した。その理由はゲームの面白さ・魅力ではなく、「ドラクエウォークに時間を奪わる」ことへの不安と焦りだ。
義務感、やらされ感があったわけではない。通勤時や娘の塾のお迎えの際に”ながら”でゲームを進める事ができるので、ゲームによって仕事や自己研鑽、プライベートなどの余暇の時間を大幅に奪われる、ということはない。ちょっとしたスキマ時間にバトルの結果や獲得したアイテム、またはイベントのクエストをこなすこともできるので、そこまで無理なくゲームを楽しむことが出来る。それがドラクエウォークを続けてこれた理由の一つだ。
だがゲームの機能が追加されてできる事が増えていくと、スキマ時間だけでは足りなくなってくる。イベントが複雑になり、ちゃんと内容を理解しないとすべてのミッションをクリアする前にイベントが終わってしまう。獲得できないアイテムを残したまま次のイベントが始まるのは悔しいので、少しずつゲームに費やす時間が増えていく。ユーザにできるだけ長くログインしてほしい、というコロプラの狙いかもしれないが、ふと気づけば”ながら”の時間以外にも、1日1時間以上ドラクエウォークをやっている日もあった。
そもそもスキマ時間があまり多いわけではないので、家族との団らんや読書、自己啓発の時間が削られてしまう。子供と一緒にテレビを見ていても、不意にドラクエを起動してゲームを進めていたらテレビの内容が頭に入ってこない。子供や家族との会話がうわの空になる。その状態に気づいたとき、ドラクエを続けたいという気持ちが消えてしまった。
そこまでしてゲームを続けたいとは思わない。他にやりたい事はあるし、今でしかできない事もある。時間は有限なので、優先順位を考えれば1日1時間以上もドラクエに費やすのはもったいない。読書や英語の勉強の時間が足りないと嘆いていたが、ドラクエを引退すればその時間が確保できるじゃないか。
そして新機種にはドラクエウォークを移行しなかった。旧機種はwifi環境なら使用できるしドラクエはまだ消していないが、新機種に切り替えて以降はログインしていない。今後なにかのきっかけで再開する可能性もゼロではないから一応の保険をかけているわけだが、ドラクエと離れて半月ほど経った時点ではもう再開することはないような気がしている。
ドラクエのない生活
ドラクエを引退したことで、通勤や散歩時にドラクエを起動することが無くなり、スマホの電池の減りが格段に遅くなった。新機種にしたこともあって充電は2日に1回で済んでいるので、バッテリーの延命に寄与するだろう。
ちょっとしたスキマ時間にドラクエをしないのは若干寂しい気持ちもある。だがその時間を使ってJapanTimesAlphaを読むなど、別の時間の使い方ができるようになった。これからもう少し英語力の自己研鑽のために時間の使い方を工夫が必要だが、今はそれで充分だ。
出向帰任してまだ慌ただしい時間を過ごしており、このタイミングでドラクエを引退したことは良い判断だった。やらなくても困らなかったことを一つやめることが出来て、少しながらも心にゆとりが生まれたように思う。1日の過ごし方、時間の使い方が変わって日々の満足度も上がっていく。
長く続けていることをやめる、変更することには勇気がいるが、それによって得られるものは大きい。今後も定期的に、日々の生活の棚卸や振り返りをやっていこう。