責任がないなんてことはない

仕事をマネジメント
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9月末に基盤更改案件のPMが休職した。

7月に私が出向帰任する前から違う立場で関わりがあり、出向元である顧客側からみていた時にはしっかりしたPMだという印象を持っていた。だが帰任して一緒に働くようになると、実態はかなりギリギリの状態だということが分かった。帰任に際して部次長からはそのPMをフォローするよう指示もあった。

彼は転職組で、2024年11月に入社していきなり大規模な案件のPMにアサインされていた。前職はアプリ開発を担当で基盤は未知の世界だった。細かい社内ルールや手続きも分からない。気軽に頼れる知り合いもおらず、転職してきて結果を出さなければならないという気負い、プレッシャー、プライドなど様々な感情を抱いていたのだろう。周りに頼れる仲間がおらず、解決・調整すべき課題やタスクの遅延を一人で抱えてしまっていた。プロジェクト自体も一体感がなく、各担当がバラバラにタスクを推進している状態だった。案件は破綻しかかっていた。

そこで7月後半から私がより重点的に彼のフォローに入った。PMの役割を整理し、未作成のWBSを整備した。会議体や体制を見直し、PMが抱えていたタスクの担当割り振りを行った。直近で控えていたテスト計画書も一緒に作成し、プロジェクトは立ち直りつつあった。抱えていた課題が減っていく中で、彼自身も手ごたえを感じていたようだった。その様子をみて、私だけでなく部次長も安心していた。

だがそれは彼にとってもプロジェクトにとっても根本的な解決にはなっていなかった。

抱えていたタスクが減ったとはいえ、彼自身が対応すべきタスクはまだまだたくさん残っている。私も帰任したばかりでチーム運営に手を取られていて、彼の代わりにタスクを進められるほどの余裕はなかった。そんな状況の中、彼は心身の不調を感じて医師の診断を受けていた。プロジェクト自体は上向きになっても彼が抱える不安が根本的に解消することはなかった。

結局彼は医師の勧めに応じて休職を選択した。

上司からは、私がどうこうできる状況ではなかった、と慰めの言葉をかけられた。私の責任ではない、とも言われた。

だが、わずか3か月とはいえ彼の直上の上司は私であり、責任がないなんて言うのは許されない。それこそ無責任だ。実際、もっと彼のためにできることは沢山あった。彼の状況を正しく認識できていなかったのはひとえに私の甘えと油断だ。付き合いが浅いから彼は私に対して遠慮があった。それなら私が彼と十分にコミュニケーションをとって、私から歩み寄らなければならなかった。それができなかったのは、やはり私の怠慢なのだ。

彼が休職したあと、プロジェクトメンバの一人を代わりにPMにアサインし、私もようやく本腰を入れてプロジェクトの立て直しに入った。その中で、整理すべきタスクや課題が次から次に出てきて、今更ながら彼が置かれていた状況を認識できた。経験の浅い彼がひとりで抱えるには荷が重すぎる。さぞ苦しい思いをしていたことだろう。その苦しみを彼と共有してあげられなかったことも後悔の一つだ。

それから3か月経ち、来月から彼が復帰できることになった。今は彼にどういったタスクを担ってもらうか、そして彼をどうフォローしていくかを練っているところだ。

もう同じ失敗は繰り返さない。私は管理職としての務めを果たさなければならない。それが管理職としての責任の取り方だ。

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プロフィール
この記事を書いた人

名前:ろば
生まれ育ったところ:愛知県(名古屋から1時間)
住んでるところ:大阪市
年齢:氷河期世代
家族:嫁と息子と娘
仕事:金融IT会社のSE歴20年超

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