これまでのキャリアを繋げたその先に光を見た

仕事をマネジメント
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春は異動や昇進の季節だ。私のような出向者はどちらも直接は関係ないのだが、昇進した人たちの一覧を見るて相変わらずモヤモヤとした気分になっている。すでに同期の管理職昇進は一巡しており、今は4~5年次下の人たちが次々と管理職に登用されている。40歳前後が一つの基準で、そこまでにある程度の実績と評価を積み上げていれば、次長への昇進していくのだろう。

そしてすでに次長になっていた同僚の中からは、さらに上の部長や本部長も出始めている。出世という名前のレースがあるなら、私は周回遅れどころか参加すらしていない。コースの外から、レースの中で努力や苦労を重ねて成長し、出世していく同僚を眺める観客の一人だ。

出向元に戻ってレースに参加するのはいろいろ厳しい

システム開発の現場から10年以上離れていては、仮に出向が終わったとしても出向元でシステム開発を率いることは難しい。会社としてももっと若手をアサインしたいだろうから、余程のことがない限りは遅れてレースに参加する道もなさそうだ。

私はもう40代半ばで、65歳が定年だとすればすでに折り返しに差し掛かっている。すでに若手ではなく、中堅どころかベテランと呼ばれこともある。会社にとっては、今さら昇進させて管理職として育成する対象ではないだろう。すでに十分に育っていて、即戦力として成果を出していくことが求められる年代だ。

出向先である事業会社側からすれば、ITはあくまでツールでしかない。各ツールを組み合わせて出来るサービスが何で、それにいくらかかってどれだけの効果を生み出すかが重要だ。細かいところはお金を払ってベンダに任せればいい。だが私は出向が終わればそのベンダ側に戻らなければいけない。

10年以上の出向で、システム開発の第一線からはずいぶんと遠ざかっている。システム開発やプロジェクト管理の方法・環境も大きく変わっているが、正直、最新のITの動向にも着いていけてはいない。クラウドやJSONと言われても表面的なことしか分からない。また、コロナ禍で在宅比率があがり、在宅環境やオフィス環境も変わった。チームやメンバのマネジメント方法も変わっているはずだ。そんな状況で出向元に戻れば、間違いなく浦島太郎のようになってしまう。

別の道を見つけたかもしれない

出世レースに参加せずに10年以上も別のコースを走っている。こちらのコースは、参加者自体が多くないので道は空いているが、今の時点ではゴールは見えていない。また出向元で出世していく同期や後輩とは環境も、得られる知識・経験も異なる。定量的な評価はできないが、出向というこっちのコースでこそ高まる能力・価値もあるはずだ。そのため今更出向元に返って無理やり出世レースに復帰するのではなく、今のコースを走り続けた先に、なにがしかのゴールを見つけるほうが得策だ。

今年度に入って二つの環境変化があった。

一つは、3月末でチームメンバの一人が出向元の運用子会社に帰任し、彼が取り組んでいた、その運用子会社の事業の一部を外部に移管する、というミッションを私が引き継ぐことになった。運用子会社は今後システム運用に特化して人材やリソースを集中・有効活用し、それ以外の事業は専門業者に移管してコストを下げる狙いがある。事業会社ではシステム更改や維持管理を主に担当してきたが、事業移管ではビジネス目線での企画推進を経験できるチャンスだ。何年も前から検討されてきて暗礁に乗り上げた事案なだけに難易度は高いのだが、ビジネスに直接かかわるため、やりがいもあってモチベーションがあがっている。ゼロから新規のサービスを考えるよりも、今ある状態をより良くしていく仕事の方が私は好きだ。

もう一つは私が新人だった頃の上司が、その運用子会社に役員として出向した。出向元での役員の任を解かれて子会社に移る事には複雑な事情があるかもしれない。50代後半で役職定年の意味合いもあるのだろうか。それでも私にとっては、若いころに一緒に様々な苦労を重ねた上司であることに変わりはないし、そのころから一定の評価をしてもらっていた。

この二つの変化がうまく作用すれば、業務移管で運用子会社、および元上司とのつながりを強め、移管を完了または筋道をつけた時点で運用子会社に再出向して、元上司の元で管理者として50代をスタートする、というコースが開けるかもしれない。

将来やりたい事と、今やるべき事

3年前に今の事業会社に出向する前は、私も運用子会社に出向していた。そしてそこで『システムは企画し構築することが自体が目的ではなく、リリースしてから業務に使用して初めて価値を生み出すことができる』という、当たり前且つ重要なことを学んだ。業務を担当するシステムユーザや、日中夜間を問わずシステムを安定して稼働させるための運用担当者、夜間オペレータの役割はとても重要なのだ。しかし特に運用担当は日の目を見ることが少なく、給与も相対的に低いままだ。

人手不足が続くIT業界において、運用担当の立場や評価、給与が低い状況では、システム運行が立ち行かなる日も遠くない。そのためシステム運用をより省力化して維持管理の経費を削減し、且つDevOpsのように運用側からも価値を生み出せる体制に移行することが不可欠だ。いずれはそういったことにも取り組みたいと考えていたが、出向者の立場では思うような動きが出来ないまま、今の会社に出向替えとなってしまった。元上司の元で一定の権限を与えてもらえば、あの時やり残したことに再チャレンジできるのだ。

まだ絵空事に過ぎないが、これまで私が積み重ねてきたキャリアをすべて生かすことのできる道が一つ見えたような気がした。この道の先に一つのゴールらしき光がある。今歩いている道が確実にそのゴールまで続いているかは分からない。ただ、これからの日々の積み重ねが、その光にむかって一歩一歩近づいていくことになるのは間違いない。将来やりたい事をやるために、今すべきことを精一杯頑張ろう。

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