
2026年1月、4年間に及んだ娘の私立中学受験がようやく終わった。4つ上の息子が私立中学に合格してすぐ娘も塾に通い始めたので、我が家にとっては二人まとめて8年間もの長い闘いだった。
私は中学受験をしていない。そのため息子の時は受験の仕組みから算数の解き方、塾通いの大変さなど分からないことだらけだった。嫁は中学受験をしているものの、30年以上前と今とでは仕組みも内容も大きく変わっていた。そして息子と娘ではまたタイプが異なり、息子の成功パターンが娘には全く通用しない。この8年間は子供たちだけでなく親も試行錯誤の毎日だった。
娘の志望校の選択と受験申込み
中学受験をする子供の親でなければ分からないだろう。現在の入学入試の仕組みはかなり複雑になっている。
専願(合格したら必ず入学)と併願を選択する必要があるのは理解できるが、一つの学校に複数のコースがあり、また同じコースでも受験科目を選択できたり、同一日の午前と午後に試験が組まれていることもある。複数回受験したら加点がもらえる仕組みを採用する学校も増えてきた。高校授業料無償化の影響で中学受験者数が増えているとはいえ、各学校でいかに受験生に配慮して受験してもらえるかを試行錯誤しているのだろう。
娘の第一希望は早い段階で決まっていた。伸びしろも考慮したうえの学力で合格を狙えるギリギリの学校で、塾では「最難関」にランク付けされている。模試の成績はずっと合格圏外でも第一希望を目指して勉強していれば第二希望に受かるための学力は十分に身につく。緊張感を維持するためにも受験校の選択としてはよくあるパターンだ。12月に申し込みが始まってすぐ、第一希望の学校には受験届を出した。
第二希望以下は冬休み中に何回か候補の学校の過去問や対策問題を解いてその相性も含めて決定した。また塾からは「レベルは問わず、確実に受かるところを一つ受けておいたほうが良い」というアドバイスもあり、最終的には第四希望まで選択して受験申込みをした。今や手続きはすべてWebなので、郵送や書類の準備に手がかからなくて助かる。
2026年の近畿圏の中学入試の統一解禁日は1月17日(土)
最終的な受験日程は以下の通りだ。
| 1月17日(土) | 1月18日(日) | 1月19日(月) | 1月20日(火) | |
| 午前 | 第一希望校 試験 | 第二希望校 試験1回目 (4教科) | 第二希望校 結果発表 (Web) | 第二希望校 試験3回目 (2教科) |
| 第一希望校 結果発表 (Web) | ||||
| 午後 | 第四希望校 試験 | 第二希望校 試験2回目 (3教科) | 第三希望校 試験 (未申込) | |
| 第四志望校 結果発表 (Web) |
第二希望から第四希望の中学校は複数ランクあるコースを選択して受験をする。そして上位コースに不合格でも下位コースの合格基準点に達すれば下位コースでの合格となる。つまり同じ学校でもチャレンジと滑り止めを兼ねることができる。
娘のの志望校、志望コースはこんな感じだ。
①第一希望校(下位コース) ☆チャレンジ
②第二希望校(上位コース) ★本命
③第二希望校(下位コース)
④第三希望校(上位コース)
⑤第三希望校(下位コース)
⑥第四希望校
そして試験結果に応じて流動的に行動が変わるのでややこしい。
まず2日目の夜に第四希望校の発表がある。ここは難易度も倍率も低いのでまず間違いなく合格できるだろう。あわよくば特待生認定も期待できる。
そして3日目の合格発表で第一希望校または第二希望校の上位コースに合格すれば受験終了だ。だがここで第二希望校も合格がなければ3日目の午後に第三希望校を受験する。ここは受験開始の直前まで申し込みが可能だ。
第二希望校に合格しても上位コースの基準点に達しなければ、4日目に第二希望校に再チャレンジし上位コースの合格を目指す。3回目の受験になるので加点が付くし、受験慣れもしてより平常心でいられるはずだ。
だが4日目まで緊張とプレッシャーが続くのはつらいし集中力が切れてしまいかねない。途中で体調に不調をきたす可能性もある。3日目の午前中で終わらなければ泥沼だ。
試験当日、合格発表、そして受験終了
小学校は冬休み明け1日目の始業式以外は受験が終わるまではお休みすることにして、試験1週間前から朝6時に起きて試験のスケジュールに体を慣らす。娘は朝に弱く深夜に勉強がはかどる、という完全な夜型だったので、朝から最大限のパフォーマンスを発揮できるか不安だった。だがさすがに直前にもなると本人も早寝早起きを意識するようになり、自主的に布団の中でyoutubeを見ることもしなくなった。インフルエンザで体調を崩すこともなかった。
前日は緊張やプレッシャーで十分に眠れないのでは?との心配も杞憂に終わり、当日は朝から妙にテンションが高い娘。本人曰く「ようやくあと2~3日で受験勉強から解放される!試験が終わるのが待ち遠しい!」とのこと。むしろ嫁ほうが緊張してナーバスになっており、ついネガティブな発言をしてしまいがちだったので、1日目の付き添いは午前、午後共に私の役目となった。
1日目の午前、最難関校の問題の難しさに凹んで出てくるのでは、と心配したが、得意の算数にかなり手ごたえがあったらしく満足気だった。スタバで少し休憩してから、高いテンションを維持したまま午後の第四志望校の試験も終えた。
2日目は午前・午後と同じ学校を2回受けるのだが、家から近いので合間に帰宅して昼食をとった。家庭内の緊張感も若干落ち着いてきたこともあって、この日は行きは嫁が、帰りは私が付き添った。受験会場には塾の先生方の見送りがあり、娘は再びテンション高く試験に臨めたようだ。出来について、1日目ほどではないにせよある程度は解けたらしい。ひとまず2日間、4つの試験を無事に終えれて安堵する。
そして2日目の夜に第四希望の合格発表があり、一つ目の合格を特待生資格付きでゲットした。ここまで予定通りだ。
3日目、この日で受験が終わることを期待しつつ、結果によっては午後から第三希望校の受験もあるので、娘は前日より少しだけゆっくり起きて、算数の問題で頭を切り替える。
そして11:30。第二希望の合格発表の時間だ。10分ほど前から発表のページを開いて待機していた。娘と嫁とともに緊張の面持ちで1回目の試験結果を確認する。
上位コース 合格!!
思わず3人で抱き合って喜んだ。この時点で娘の中学受験が終わることが決まり、喜びとともに安堵感も湧き上がってくる。
だがまだ本命の発表が残っている。つづいて第一希望校の結果発表のページを開いてしばし待ち、時間になって再び結果を確認する。
不合格
さすがに最難関の壁は高かったか。だが第二希望とはいえレベルの高い中学校の上位コースへの進学を勝ち取ったのだから、親としては娘を誇らしく思うし結果にも満足だ。
だが娘は手ごたえも自信もあったのだろう、不合格という結果をみてしばし茫然とし、それから涙を流して悲しんでいた。第一、第二希望校ともに精一杯の力を出し切り、その結果第二希望校の合格という成果を手に入れたので、てっきり私としては娘も悔いなく満足していると思っていた。
普段クールな娘が見せた涙には、私もいろいろと思うところがあった。
受験から得たもの
レベルの高い私立中学に合格すればよい人生が送れる、なんてことにはならない。高校入試がないので余裕をもって大学受験に臨むことはできるが、それでも大学合格が保証されるわけでもない。ただ地元の公立中学に進むよりは間違いなく目的意識をもった時間を過ごしてきたし、早い段階で失敗・成功経験をしたことは長い目で見てもプラスになる。この経験は大学入試に限らず、そのあとの社会人生活でもかならず生きてくる。
初めは半ば強制で始まった中学受験だが、4年間頑張り続けたことで娘にとっても受験が自身の目標になり、また主体性も育まれてきた。第一希望校に受かりたい、という欲求も芽生えていた。親としては、受験の結果だけでなく、厳しい時間を過ごす中での内面の成長をなによりも喜ばしく思う。


