ヤル気スイッチをさがせ

家庭をマネジメント
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12月23日(金)から子供たちは冬休みに入ったのだが、塾に通っている娘には23日からの3日間は冬期講習があった。金曜は午後から、土日は朝からと、3年生の娘にとっては過酷な試練だ。毎日課される宿題をやりきるために、先に進められる宿題は先週中に終わるように予定を立てておいた。先に中学受験を終えた息子の時の経験が生きた。

娘は今年の2月から塾に通い始めた。3年生は勉強の習慣作りと慣らしが主な目的なので、授業は毎週土曜日の午後だけだ。それでも小学校とは異なる雰囲気に、娘はなかなか馴染めなかった。塾は基本的に勉強以外のことはしないし休憩時間に遊ぶこともないので友だちも出来にくい。宿題から問題が出るテストの点数も伸びず、2か月毎の模試も今一つ。そんな状態だったので娘は塾の日になると「嫌だ、辞めたい」を繰り返し「なんで塾に行かないといけないの?」と泣くこともあった。

私立中学への進学がベストではないことはわかっているが、親としては子供の選択肢を増やしてあげたいし、小学校のうちに勉強の習慣を作ること、努力と苦労を経験することは無駄にはならない。中学受験がどういったものかどこまで理解しているか分からないが、兄の影響もあって娘は2年生の終わり頃に「塾に行く」と言いだした。しかし授業が楽しめない、点数が上がらない、土曜日に遊べない、毎日宿題があるなど、当初の期待や想像とのギャップに娘は苦しんでいたと思う。

塾は自転車でも行ける距離にあるのだが安全面を考慮し、娘はひとりで電車で塾に通い始めた。電車に乗って塾に行く兄の後ろ姿がかっこよかったのかもしれない。でもすぐに一人で行くのを嫌がるようになったので、嫁と分担して塾の送り迎えをするようにした。考えてみれば、必死に背伸びをしていてもまだ10歳にも満たない子供、甘えたい気持ちがあって当然だ。

塾への送り迎えの際に、勉強をすることの理由と大切さをいろいろと話した。また、塾の何が嫌なのかの話も聞いた。娘の性格を考慮して、できるだけすぐない時間で効果が出そうな宿題の計画を立て、時間があれば一緒に宿題を手伝うこともした。そうすると、夏を過ぎたあたりから日々のテストの点数が合格点に達するようになってきた。

「100点取れたら帰りにコンビニでマチカフェする」というアメとムチ作戦も功奏した。マチカフェといってもコンビニのカフェラテを買って飲みながら帰る、というだけなのだが、9歳の娘にとっては絶妙なオシャレ感だったようだ。笑顔で教室からでてきて「お父さん、今日はマチカフェだよ」と機嫌よく歩く娘。

さらに塾から「今週のMVP」に選ばれた。正直のところ選定基準はよくわからない。子供のモチベーションを上げるための取り組みの一つだと思うが、これにも娘はとても喜んだ。

そうしているうちに、娘自身にも「毎週塾に行かないといけない、そのために毎日少しずつ宿題をしないといけない」ということが分かってきたようだ。今でも宿題をする前や塾に行く前は「嫌だ嫌だ」と不機嫌になることは多いが、塾に行き始めたころに比べれば自主的に勉強することが増えてきた。

そしてこの冬期講習で小学校の友達が塾の体験に来たらしい。「塾に入ったばかりだとわからない事が多いだろうから、先輩としてかっこいいところ見せないとね」と言うと、娘はどこか誇らしげだ。単純に塾で友達に会える、ということも嬉しいのだろう。

金曜日の塾の後、土曜日までに宿題をやる時間は多くない。その気になれば1時間もかからない量ではあるが「宿題が多い、なんで明日までにこんなにたくさんやらないといけないの?」と不満を爆発して、娘は宿題を始めようとしない。塾に行き始めたころはそんな娘を見ると私も感情的になって「やらないとだめでしょ!」と叱ったり、やらない事に罰を課すようなことをしてしまっていた。でも、娘と一緒に私も学んだのだ。

ほんと、今日は宿題多くて大変だよね。塾で疲れてるのに今からこんなにやるのは嫌だよね。
明日先生に文句を言いに行こうか。
全部できない子もいるだろうね、でも〇〇ならできるよ。
とりあえず半分だけがんばろうか、そしたら休憩してyoutube見てもいいよ。
仕方がないからお父さんが鉛筆持つよ、考えて答えが分かったら、なんて書いたらいいか教えて。

同調し、自尊心をくすぐり、少し妥協してご褒美を提示する。そして遊び心を加えて、宿題を少しずつ楽しい時間を変えていく。字が汚くても筆順がおかしくてもグッとこらえて注意にとどめる。正しいことと間違っていることの理解はできていても、否定するような伝え方をするとヤル気スイッチが入らない。完璧さは求めない。少しでも身になること、そして決められた宿題をやりきることが大事だ。

相手の話を聞いて同調し、気持ちを聞き出して理解する。そして寄り添ってどうしたいかを一緒に考え、どこまでできるかを設定する。その目標達成のために最大限の支援をし、孤独感を与えない。そうすることでヤル気スイッチを押すことができるようになる。成果が出れば一緒によろこび、そして賞賛する。ヤル気を継続させ、自立を促す。チームマネジメント、モチベーションコントロールの基本だが、日々の仕事で実践する機会があまりないので、私もとても勉強になった。

そんなこんなで、娘は無事に3日間の冬期講習を乗り切って楽しいクリスマスを過ごすことができた。
4年生になると週3日塾に行くことになるので、また慣れるまでに時間がかかるだろう。それに心身の成長が良い面だけでなく悪い面に及ぶこともあるかもしれないが、マネジメントスキルを活かして良い方向に導いていければ、と思う。

子育ても立派なマネジメントだ。

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