
ここしばらく嫁の機嫌がよくないな、とは思っていたが、娘の中学受験によるストレスが原因で受験が終われば元に戻るだろうと高をくくっていた。だが1か月以上たっても夫婦間に緊張感のようなものが漂ったままだった。
そして先日、嫁と口論の末にその原因が判明した。ことは3か月前にさかのぼる。
一つ目は鉄砲伝来が何時代かというクイズ番組の問題を塾終わりの娘に教えた際にゴタゴタがあり、そのとき私が嫁に「間違っている」と言ったことをすぐに謝らなかった。そしてあとで謝ったもののそれは「本心から誤っていない」と感じていたこと。
二つ目は高校生の息子の英語の成績が伸びず全体の成績の足を引っ張っている状況に対して、嫁が息子に「英会話や塾通い」を勧めたにも関わらず、私が息子の肩をもって「塾に行く必要はない」という雰囲気に誘導してしまったこと。このとき嫁は、私が息子と影で「お母さんはわかっていない」といった陰口を言っているように感じていた。
この二つの出来事をきっかけに嫁は私に対して、”常に周りを見下し馬鹿にしている、そういう人間なのだ”という不信感、諦めの感情を抱いたとのことだった。
反論したくなるが、こらえて自ら省みる
私としては、反論したいことは山ほどある。
私はこれまで公明正大に、誰に対しても誠意をもち、敬意を払って生きてきた。公私ともに人の話をしっかり聞くことを心掛けているし、陰で悪口をいうこともしない。「馬鹿」といった人を貶めるような言葉がそもそも嫌いで、そういった言葉を使うことも避けてきた。もちろん嫁の言うように「人を馬鹿にする、見下す」なんてこともない。だから嫁が私に対して勝手に抱いた感情、諦めなどは理解しがたいし納得もできない。
だが、ここでもう一つの事実もある。それは私が嫁に「馬鹿にされた」と感じさせてしまった、ということだ。私の行動、発言、行動によって、嫁は間違いなく不満感、不快感を持ち、そしてついにその感情を爆発させるに至った。そこは私も冷静になって、自らを省みらないといけない。揉め事やいざこざの原因が一方だけということはない、
そして気づいたことは、良くも悪くも私が頑固である、ということだ。人の話を聞きつつも、自分が自信を持って正しい判断ができると信じていることに対しては自分の意見を変えることに抵抗があり、実際に意見を変えて他社に従うことは稀だ。
例えば鉄砲伝来は室町幕府の終盤なので、そういう意味では室町時代だ。塾の教科書の安土桃山時代のページに書かれていたとしても、それはただ作る側・教える側に都合がよかっただけだ(と思っている)。そしてなにより私は歴史が好きで、間違いなく嫁よりは日本史に興味を持っているし覚えていることも多い。ネットで検索して調べたりもするが、日本史に対する土台をしっかり持っているので、嫁よりは正しい判断ができる(と思っている)。
英語についても同様だ。そもそも勉強は親が代わることはできない。「なんとかしたい」と思って自分行動しなければ効果がない。無理やり塾や英会話に通わせても意味がないし、高校生の息子を力づくで英会話に連れて言うこともできない。周りにできることはサポートだけだ。私自身も学生の頃は英語が苦手で赤点をとったことも何度かあったが、最終的には高校三年生になってから追い込んで希望の大学の合格を勝ち取った。そして社会人になってから「苦手だったことにチャレンジしよう」と思い立って単語や文法、リスニングの学びなおし、レアジョブ英会話、英字新聞購読などをはじめ、今ではTOEICで700点を超えるスコアを獲得できるまでになった。それで英語が得意になったといえるかどうかは別の話だが、それでも英語の勉強に対しては嫁より経験があり、そして理解もしているので、嫁よりも正しい判断ができる(と思っている)。
つまり「日本史」と「英語」に対しては、私は嫁よりも上にいる思っている。だから嫁の意見を聞いて一理あるとは思いつつ、最終的な自分の結論を曲げることはせず、自分の都合の良い結論に導こうとしてしまったのだろう。嫁からすれば、自分の意見・提案を無視されたように映るだろうし、馬鹿にしていると感じるのも仕方がないことだ。
アンコンシャスバイアスに対処する
嫁との2時間にも及ぶ言い合いの末、ようやく根底にある原因にたどり着いた。
お互いに認識相違や誤解もあって全面的に私が悪いというわけではないものの、私から歩み寄って嫁との信頼関係が回復できるのならそれに越したことはない。結婚して間もなく20年経とうとしているが、今のところはこの先も10年、20年と連れ添っていきたいので、傷は早めに修復しておきたい。
一度失ってしまった信頼を取り戻すのにどれだけ時間が必要かは分からないが、まずは自分の無意識の思い込み(案コンシャスバイアス)に向き合って対処しなければならない。
今のうちに気づけたことは良かった、とまずは前向きにとらえたい。そして今後は常に「自分の意見に固執していないか?」「自分が正しいと思い込んでいないか?」と自らを振り返り、自省し、家族や嫁との対話を大切にしていこう。
今回のことを、自身の人間としての成長のきっかけ、そして今後の嫁や家族との関係性向上のためのチャンスととらえて活かしていこう。

