投資するならまずは自分自身に

人生をマネジメント
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成人式(新成人を祝う会?)関連の報道でインタビューを受けた新成人が「これからは老後のことも考えていかないと」と発言したことに衝撃を受けている。

何歳から老後なのか明確な定義はないものの、60歳~65歳で定年を迎えたあたりが一般的だろう。人生80年であれば残りは4分の一であり、何歳になっても多方面で活躍される方はいるものの、人生におけるピークは過ぎているといっても過言ではない。

シルバー雇用のように65歳を過ぎた雇用がないわけではないが、体力・気力の面では現役世代のように1日7.5時間、月20日間も働けるわけではない。日々の家計を若干補う程度の収入しか得られず、社会と繋がり続けることが再就職・再雇用の主目的というケースも多いだろう。

もちろん老後に備えるのに早すぎることはない。20歳から65歳までの45年間、1か月に1万円ずつ蓄えればそれだけで540万円になる。65歳になってから540万円を準備しようとするとかなり大変だ。飯今からNISAを利用して積み立てておけば、複利効果も加わってより大きな蓄えになる。

少子高齢化によって将来的に年金が支給されるかどうか不透明な中で、様々な不安をあおる報道が多く、若い世代は特に将来に不安を感じているのだろう。老後の年金は期待できない、そもそも日本がどうなるか分からないから、そのために備えを始める気持ちは分からないわけではない。

ただ、一カ月1万円を貯め続けたところで所詮は540万円だ。540万円貯蓄が増えたところで、1か月の支出が20万円だったら僅か2年で使い切ってしまう。年金の不足を毎月5万円補うというケースでも10年分なので、65歳からなら75歳までしかカバーできない。個人差はあれど80歳以上長生きすることは珍しい事ではないので、安心した老後と言うには心もとない。50年後のこの国がどうなるか見通せないのだから、560万円の貯蓄にどれだけ効果があるのかも現時点では判断できない。

それならもっと節約して2万~5万を貯蓄に回せばよいかといえば、その分日々の生活に使える金額は少なくなってしまい、最も大事な「今」の満足度・幸福度が下がることになる。若いうちは収入も少ないので、手取りの2~3割をを老後のための貯蓄に回すようだと、旅行や娯楽、美味しい食事、友人や恋人、家族との楽しい時間を過ごすためのお金が制限されてしまう。これでは一体何のために生きているか分からない。

20代で考えるべきことは、毎月節約して貯蓄を増やすことではないのだ。老後の不安を解消するには、節約と貯蓄よりも収入をいかに増やすかが重要だ。NISAを利用した積み立て投資も悪い選択肢ではないが、20代から毎月1万円を国内外の企業に投資信託と言う形で投資したところで、その1万円が将来的に倍になることなんて基本的には起こらない。それなら、そのお金は貯蓄に回すのではなく自分自身に投資すべきだ。

NISAであっても金融商品への投資にはリスクが伴う。長期の分散投資によってリスクはある程度抑えることが出来るとしてもゼロではない。だが自分自身への投資であれば損はない。目的意識を持ってお金と時間を有効活用すれば必ず得るものがある。資格試験で合格できなくても学びや経験は蓄積されるし、行動することは自信にもつながる。

ビジネス書や自己啓発書は1~2千円程度だし、資格取得のための通信教育でも月1万円あれば十分だ。資格取得によって基本給が上がったり、昇進・昇格の要件になってい会社も多いので、それだけで収入アップに繋がることになる。少し特別なスキルを身に付けたければ通信教育だけでなく、オンラインのセミナーや講習会に参加することもできる。少し値は張るが働きながらでも通える学校だってある。もし日々の生活費を切り詰めて将来のための資金を捻出するのなら、そのお金は自分自身の価値を高めるために使うべきだ。

結婚したり仕事が忙しくなったり、また体力が低下してくると思うように時間がとれなくなる。20代のうちは体力・気力も有り余っているのだから、その貴重な期間は自分磨きをしてほしい。最初の10年間を如何に過ごすかによって、そのあとの給料も人生も大きく変わってくる。

手取り20万円から月1万円ずつNISAで積み立てるのではなく、毎月1万円を自己啓発、スキルアップのために使い続ける。その結果10年後に転職や昇進、昇給して手取りが30万円になれば、そこから月2万円ずつの積み立てを始めれば1.5倍を貯蓄できる。20年後、手取りが40万円になってから月4万円積み立てたって良い。

いくら高齢化社会の日本の将来に期待できないからといっても、自分自身をあきらめるのは早すぎる。これからの過ごし方、自己投資によって将来は全く違ったものになる。新成人たちは報道やニュース、SNSに流されることなく、是非とも前向きな人生設計をしてほしいと切に願う。

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