石垣島旅行譚⑤ ~3日目 与那国島~

旅行をマネジメント
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石垣島旅行の3日目、最終日は与那国馬と海で乗馬をする予定だ。

与那国島の交通手段

石垣空港から与那国島に行くには飛行機とフェリー、二つの手段があるが、実質は飛行機の一択だ。フェリーなら往復でも一人7千円程度だが四時間もかかるし週2便しかない。飛行機なら僅か30分足らずだ。一家四人で往復9万円以上になるが、今回の旅行を悔いなく満足のいく形で終わるには必要な出費だと自分を納得させる。あらかじめネットで10:00石垣空港発と16:30与那国島空港発のチケットを買っておく。滞在時間は6時間30分だ。

与那国島で一番頭を悩ませたのが移動手段だ。レンタカーを除けば、取り得る移動手段は「無料バス」「レンタサイクル」「タクシー」の3つある。

島内を周回する無料バスがあるのはありがたいのだが、空港から日本最西端の「西崎」方面や牧場のある「比川」は周回ルートが逆のため直接行くことが出来ない。昼食後、13時発の便で「比川」に行く際は使えるかもしれない。

与那国島は小さな島なので空港から日本最西端の「西崎」まで車でも10分程度。与那国馬の牧場では電動自転車のレンタルもしていて、空港まで事前に運んでくれるサービスがある。レンタサイクルなら小回りが利くし、電動なら各目的地まで30分もかからないだろう。ただ旅行3日目の疲労がどれほどか分からないし、炎天下の中で自転車で島内を移動するのは厳しい気がした。また与那国島は時折スコールのような雨が降るらしく、その場合自転車だと身動きが取れなくなる。なにより、電動自転車は4時間で1台2,500円、4人なら1万円と割高だ。

最後の選択肢は「タクシー」なのだが、島で稼働するタクシーは1台しかない。営業所は空港のすぐそばなので、空いていればすぐに来てくれる。だが賃走は当日予約しかできないので、もし空きがなければ空港からの移動手段がなくなってしまう。また、問い合わせたところ「西崎」まで行っても、そこでしばらく待っていてもらうこともできず、帰りはまた配送を依頼しないといけない。1台しかないタクシーを賃走で占有することはできないのだ。しかたなく、1時間だけ貸切(観光タクシー)を予約することにした。

結果的にはこの選択は大正解で、当日午前中は時折激しい雨が降っていて、レンタサイクルだったらずぶ濡れになっていた。また1時間の観光タクシーは6,740円と、賃走に比べればかなり割高だがレンタサイクルよりは出費を抑えることが出来た。(今ホームページを見ると30分3,850円と値上がりしたようだ)

観光タクシーで空港→最西端→パン屋→牧場

日本最西端の「西崎」には碑と灯台しかなく、薄曇りで台湾も見えなかった。だが最西端に立ったということに意味がある。しばらくして雨が降り始めたので、10分程度の滞在で「西崎」を後にする。そのあとは市街地にある観光協会に「最西端到達証明書」をもらいに行ったが、あいにく祝日のため閉まっていた。ただ帰りに与那国空港で500円で購入できた(自筆バージョン)。

昼食は与那国島唯一のパン屋さん、「パネス」までタクシーで移動する。これでちょうど1時間使い切った。パン屋さんと言いながら、手打ちの八重山そばが名物だ。そばは日替わりで、私はイカ墨そばを注文した。炎天下ながら、涼しい店内で食べる、ダシの利いたそばがおいしい。お土産に与那国馬の形をした食パンを買うことも忘れない。

そのあと、無料バスで牧場のある「比川」まで無料バスで移動する予定だったが、乗馬時間を少しでも長く確保するため、牧場主にパン屋から牧場までの送迎をしてもらうことにした。

与那国馬と乗馬

牧場に着いて荷物を置くと、牧場主から一人ずつロープを渡され、木々の茂った牧場で自分の乗る馬を捕まえてくるよう言われた。ホームページにも説明があったがなかなかのスパルタだ。しばらく木々の間をさまよってようやく固まって休んでいる与那国馬たちを見つける。見慣れた馬より小ぶりで、人を蹴ったり嚙んだりするようなことはなく、どの馬もおとなしい。だがそれでも体重は200キロ近くあり、人の力で無理に引っ張っても動こうとしない。なんとか馬と意思疎通をはかり、30分程度悪戦苦闘して乗る馬が決まった。

よろしくね、という気持ちを込めてブラシをかけ、牧場主が鞍をくつわ(手綱のついた、馬の口にかぶせる馬具)を取り付けたらまずは基本的な操作方法を習う。声掛けと手綱を引くだけなので難しくはないが、馬たちはすぐに道草を食べようとする。馬からすれば重い人間を乗せるのはあまり気が進まないだろう。牧場主が強めに声掛けしてようやく、しぶしぶと動き出す。

しばらく牧場の周りで操作になれて牧場主から合格のお墨付きをもらったら、いよいよコトーの海に向かう。テレビドラマ『Dr.コトー診療所』の舞台であり、今もセットが見学できるらしい(私は見てないが)。遠くに見える診療所の建物を望みながら、砂浜をのんびりと歩く。

そのあとは鞍を外して、馬と一緒に海に入る。海に降りて馬に水をかけてやったり、馬と一緒に泳いだりもしたので、2日目と同様に水着+タイツ+Tシャツ+パーカーを着てきて正解だった。かかとが固定されていればサンダルでも問題ないが、300円で靴も借りられる。

従順な馬たちではあるが、深い方には行ってくれなかったり、海の中でフンをしたり、他の馬とじゃれ合ったりと、とても自由に生きている。すべて思い通りに動いてはくれたわけではなかったが、こういった点をひっくるめてとても貴重な体験ができた。

時折青空が見えるものの、雲が強い日差しを遮ってくれたおかげで快適な乗馬の時間を過ごすことが出来た。とはいいながら馬から落ちないように注意を払ったり、常に手綱をしっかりと引いておく必要がありと、おもった以上にハードな時間だった。旅行から帰って数日間は、足腰や腕が筋肉痛に苦しむことになった。

海辺で1時間ほど過ごしたあと、そのまま牧場に帰って乗馬は終了だ。シャワーや更衣室はないので、ホースで頭から水をかぶって海水や汚れを落とす。嫁と娘は物置の中で、私と息子は外で着替えた。客は私たち一家だけで、周りも牧場主だけだったので問題はない。前日同様、ここでもボディペーパーとドライシャンプーが役に立った。

着替え終わると牧場主から「馬引き卒業証書」が授与される。これで次からは練習なしで海や山に行くことが出来るらしい。ちなみに乗馬中は牧場主が写真を撮影してくれた。有料だが乗馬中は両手が使えないので、とてもありがたいサービスだ。そして最後は牧場主に空港まで送迎してもらって、この3日間のすべての予定は無事コンプリートとなった。与那国島はお金も体力も必要なので気楽に来れる場所ではないが、是非もう一度乗馬をしに訪れたいものだ。

(石垣島旅行譚⑥に続く)

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