幸せに働くために

感情をマネジメント
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「幸福学」を研究されている、慶応大学教授の前野隆司という方のセミナーに参加した。教授曰く、幸せな状態になるには次の4つの因子を伸ばすと良いらしい。

 ①「やってみよう」因子 (夢・目標・強み・成長・自己肯定感)
 ②「ありがとう」因子 (感謝、利他、許容、承認、信頼、尊敬、自己有用感)
 ③「なんとかなるさ」因子 (前向き、楽観性、自己受容)
 ④「ありのままで」因子 (独立、自分らしさ)

なるほど、だから私は幸せに働けているのか、と納得した。ちょうどPM引継ぎを打診されたときだったが、それぞれの因子に応じた自分の行動・考えを振り返ってみる。

①やってみよう

新しいことを始めるときは誰しも不安だ。それはわからない事が多いから。次に何をすればよいのかわからないし、誰に聞けばよいのかもわからない。わからない事はコントロールできないし、自分で判断もできない。でもわからない事があるということは成長しする余地がある、ということ。分からないことがない状態は楽だけれど「去年と同じです」はアピールにならないので、普通その状態では評価はされず、給料もあがらない。ピンチはチャンスだ。よし、やってみよう。

②ありがとう

私の前任PMであるAさん、まだ12月だというのに「月間残業時間45時間越えは年6回以内」という36協定に抵触しそうな勢い。Aさんが担当しているもう一つの炎上プロジェクトも思うように進まず、上司も頭を悩ませている。私がAさんから一つの案件のPMを引き継げば、同じグループメンバとしてAさんの負担が軽減し炎上プロジェクトに注力できるようになる。分かりやすくグループに貢献できる。

Aさんからの引継ぎは礼を欠くものだったが、Aさんもテンパっているのだ。限られた時間の中で引き継ごうと頑張っている。その頑張りを認めて感謝し、こちらから歩み寄って火中の栗を拾いに行く。上司やBさんにAさんの発言や振る舞いを愚痴りたい衝動に駆られたが、自分が少しスッキリするだけの、あまり意味のない行為だ。Aさんは決して私を困らせたいわけではなく、私に助けを求めているのだから。私がすべきことはAさんの状況を鑑みて、適切に判断すること。

③なんとかなるさ

初めは情報が少ないのでわからないことだらけで、モヤがかかっているようだ。でも新しい仕事はいつもそう。分からない事がなにかを整理し、私が知っておくべき事であれば調べたり確認したりして、新しい知識やノウハウを学ぶ。ほかの人が知っていればよいことならばその人を見つけて、必要なタイミングで助けてもらえるように巻き込んでおく。手に負えないことなら上司や他メンバに共有、相談して引き取ってもらう、もしくは手に負えるレベルまで対応範囲を絞り込む。自分の中に答えがないことであれば、どれだけ一人で悩んでも前に進まない。

そうやってどうにもならない事からは手を離し、自分がすべきこと、自分ならできることに注力すればたいていのことは何とかなる。今までの経験がまったく役に立たないような未知の案件なんてそうはないのだ。これまでの経験を生かせば、私ならできる。なんとかなるさ。

④ありのままで

Aさんを不必要に貶めても何も変わらず良いことはない。置かれている状況でどうすればプロジェクトがうまく進むかを考えよう。Aさんからの引継が足りないからと文句を言って待っているだけでは前に進まない。妥当性があったとしても言い訳にしか聞こえない。

そもそもAさんとまったく同じようなやり方をする必要はない。期限内にゴールするために、与えられた情報をもとに私がやりやすい形にプロジェクトを作っていけばよい。Aさんのやり方にこだわる必要はない。そのうえで、必要かつ不明なことがあればAさんやほかのメンバや上司に確認する。そうやって主体的に動くことは、引継内容に文句を言って不毛に待ち続けるよりずっと健全だ。私は私。

平日は1日8時間も働くのだからできる限り幸せな状態でいたい。そのため大事なのは「負の感情」をコントロールし、マネジメントすることだ。人の行動を変えるのは難しい。自分で行動することで、良い方向に進めばいい。その先に「幸せな仕事」が待っている。

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