2024年のITストラテジスト試験を見送った話

自己研鑽をマネジメント
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昨年6月、パンシェルジュ検定とITストラテジスト試験にチャレンジしようと思い立った。

9月から午後Ⅰの勉強を始める

パンシェルジュ検定は難易度が低いので数日間集中して準備したことで無事に合格できたが、ITストラテジストは合格率が15%前後しかない。高度情報処理試験であるネットワークスペシャリスト試験に受かったのは10年以上も昔の話で、そのあと通常の業務においてITの基礎的な部分に触れる機会は少なかったため、午前の問題から対策が必要だ。なによりも論文があり、120分で2000~3000文字を手書きするという高い壁が立ちはだかっている。それに午後Ⅰの筆記試験も決して簡単ではない。5年以上前にITサービスマネージャ試験に挑戦した際は午後Ⅰで合格点に足りず、論文は採点すらしてもらえなかった。

そこでパンシェルジュ検定後、試験の半年前からギアをあげて勉強を始めた。まずは午後Ⅰの問題を解くことで、ITストラテジストがどういった職種なのか、何を求められているかを理解する。今やどんな仕事でもITや情報システムと切り離すことは出来ず、配送や製造、金融から警備に至るまで、様々な課題をで解決するための戦略や実行過程を過去問を通じて学んでいく。

高度情報処理試験はその職種の立場で答えることが何よりも重要だ。ITストラテジストにも関わらずプロジェクトマネージャやシステムアーキテクトの領域で答えてしまっては、その答え自体が課題に対する有効な解決策であったとしても決して合格することはできない。だが、果たしてITストラテジストとは何なのか、問題集に乗っている午後Ⅰの過去問を一通りやり終えた時点で腹落ちしない。仕事でシステム企画に携わっているとはいえ、ビジネスよりもシステム寄りの立場だからだろうか。

論文対策は12月から

一旦午後Ⅰには区切りをつけて、昨年末から論文対策に着手した。論文は闇雲に文字を書けばよいというわけではない。論文もまた、問われている内容に対してITストラテジストの立場で適切に論述することが求められる。そしてそれよりも私が危惧しているのは文字を書くスピードと体力・筋力だ。今はもう仕事でペンを持つのはメモを取る時しかない。5年前のITサービスマネージャ試験では、後半に握力が低下し、考えるスピードに書く速さが全くついて行かなかった。試験の後は、右腕がプルプルと振るえ、そのあと数日間は軽い筋肉痛になったほどだ。

そう、論述は知識やテクニックよりむしろ体力勝負なのだ。そのためには文字を書くことに慣れて、そのための体力・筋力をつけなければならない。そこで私はテキストに載っている論文サンプルをひたすら書き写すことにした。3か月間、毎週末に2000文字以上を書くトレーニングを続ければ自然に筋力もつくし、書くスピードも上がるだろう。そして書くことが論文サンプルを繰り返し読むことにもなるのでテクニックや知識も身について一石二鳥だ。そして試験一カ月前には、実際にゼロから論文を書く練習をすればいい。

午前対策はラスト1か月で

午前問題のテキストも購入したが、これはスキマ時間に進めつつ、直近の2~3年の問題と答えを覚えておけば何とかなりそうだ。すべて選択問題なので、何となく覚えていても合格点には足りるだろう。

そして受験を見送る

何事もまず気持ちが大事で、その気持ちを続けて結果に繋げるためには計画が重要となる。そして計画もただ作るだけではなく、進捗を確認して必要に応じて計画を見直していく。そうすればある程度のことは実現し、希望を叶えることが出来る。特に資格試験は才能などではなく、如何に効率よく勉強したか、また勉強時間を上手く捻出するかで結果が変わってくる。そうやってこれまでいくつもの試験をクリアしてきた。

だが、ITストラテジストについては今年の受験は見送ることにした。まだ2月なので準備時間は十分にあるのだが、未だにITストラテジストという職種がしっくりこない。テキストを読んでも、サンプル論文をいくら書いても、実際の試験でゼロから論文を書き上げる、というイメージが全く湧いてこない。自分自身のアイデア、経験をもとに、ITストラテジストとして求められる論文が書ける気がしない。そしてなにより論文を書くスピードが一向に上がらない。過去問のサンプル書き写すだけなのに100分近くもかかってしまう。論文を書く前には、与えられた問題を理解し、過去の経験・知識を使ってどういった論文に仕立て上げるか設計をしないといけない。そして設計が出来ても、書きながら考えて手直しをするだろうから、単純に文字を書く時間に100分も使っていては足りるわけがない。

これは、私の文字を書く体力・筋力が想像以上に低下していた、ということだろう。毎週末に論文を書くだけでも筋力的には限界で、これを週二回に増やすことは難しい。下手をすると腱鞘炎などになる恐れもある。体力の面で、高度情報処理試験のハードルは私が思うよりも高かったのだ。

そもそも、高度情報の知識・経験を問う資格試験にもかかわらず、未だに筆記試験で論文を書くという試験制度もいい加減時代遅れだろう。来年の試験にむけてトレーニングを続けるか、というとおそらくそれはない。それより、試験制度が変わってキータイピングで論文が書けるようになる日を待つのみだ。

実は申し込みを忘れた

とはいいながら、実は午前だけでも受験しようかな、とは思っていた。そうすれば秋期や来年の春期で午前免除になるし、別の試験を受けたって良いのだ。だが申し込み開始日はチェックしていたが、締め切り日を確認していなかったので、2月7日に締切日が過ぎていたことを数日後に知った。

サンプルを書き写す時間を計測したら100分かかって「これはダメだ、勝ち目がない」と諦めた時には、すでに締め切りが過ぎた後だった。これはこれで、何とも情けない話である。気持ちが萎えているときは、こんなものなのかもしれない。

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