人を責める理由

家庭をマネジメント
スポンサーリンク
スポンサーリンク

中学生の息子は思春期真っ盛りで、そのせいか他愛もないことで人を責めようとする。思春期は関係なく彼の性格なのかもしれないが、そんな彼からは反面教師的にいろいろと学ぶことがある。

パジャマがない

先日、その日の夜に着るパジャマがないといって嫁を責めていた。自分の部屋の引き出しや、洗濯物を干してある部屋を探したが見当たらなかったらしい。洗濯機の中にあるから乾燥機かけておいて、と嫁は言う。息子はしぶしぶ乾燥が終わるまで、翌日のテストに備えて自分の部屋に勉強しに行った。

息子のパジャマは3~4着はある。毎日洗濯をしているわけではないが、洗濯物を入れるカゴの大きさにも限界があるので少なくとも2日に1回は洗濯機が回っている。そして他の家族がその日のパジャマに困っていることはない。ということはもし本当にその日のパジャマがないのだとしたら、息子が脱いだ分を部屋にため込んでいた可能性が高い。つまりは息子の自身の責任だ。しかしその可能性を息子に伝えたところで「今はちゃんと洗濯物を出している」と言う。部屋にため込んでいるときもあるが「今回は」違う、ということだ。自分に非がないと自信があるときはやたらと強気なのだ。

しかし私が洗濯物を干してある部屋に行くと、乾いた息子のパジャマが1着見つかった。サイズ的に嫁や私のパジャマと区別がつきにくくなっている点を考慮しても、探し方が甘いと言わざるを得ない。そのパジャマをもって私は息子の部屋に行った。説教タイムだ。

人を責める理由を考える

人は、相手がその責任を果たしていない場合にその人を責めようとする。息子の場合「洗濯物を洗って干し、自分が着るきれいなパジャマを毎日準備しておく」という義務を嫁が怠ったことを理由で責めていた。家事をすることは嫁の義務ではなく、家族の一員としての役割を嫁が担ってくれているだけだ。中学生にもなれば息子もその役割を立派に果たす必要がある。家族みんなの洗濯物を洗うことまではできなくても、乾いた洗濯物を自分で見つけることはできる。つまり息子が嫁を責める理由がなかったということだ。にもかかわらず、息子は濡れ衣で嫁を責めてしまったことで、「自らの義務を果たしてもいないのに人を責めた」という理由で周りから責められる理由を作ってしまったのだ。

家族であれば、そこには信頼関係がある。子供の責任は親の責任でもあるので、息子が間違った理由で家族を責めたとしても、大きな問題にはならない。しかし学校やまわりの友人との関係においては、信頼関係を崩すことに繋がりかねない。一対一ならまだしも、周りから「信用できないやつ」というレッテルを貼られてしまう可能性もある。

そもそもなぜ「人を責める」のか。「責める」という行動は、相手を貶めして自分が優位に立っていることを自他ともに示すためのものだ。要は自己満足で、優越感に浸りたいがために「責める」のだ。いくら正しい理由があったとしても「責められ」て気持ちの良い人はいない。間違ったことをしていたり義務を果たしていなくても素直に非を認めることが出来ず、自分は間違っていないと「言い訳」をしたり「正当化」しようとする。その結果お互いの信頼関係が崩れ、争いの火種になる。人を責めても、良いことは何もない。

本当に相手のことを思うのであればまず礼儀を重んじる。そして「責める」のではなく「教える・諭す」ことが大事だ。間違ったことをした・義務を果たしていない本人自らに気付きを促す。または相手の事情に理解を示しながらも、あらためて「お願い」する。そうすることで、相手が自ら気持ちよく行動できるようになり、欲しかったサービスを受けられる。信頼関係が崩れることもない。win-winだ。

どうしても責める必要があるなら、覚悟せよ

ただどうしても責める必要があるのなら、それはもはや戦であり「責める」というより「攻める」にちかい。そのため相手に非があり「教える・諭す」ような状況にないケースの場合は、こちらに一切非がないことを担保しておかなければいけない。または非があったとしても、その非を認めたうえで相手に責任があることを十分に確認し、論理武装しておくこと。覚悟と準備をもって、攻めるのだ。

そしてこの場合であっても、個人を攻撃してはいけない。仕事や友人関係であれば「相手をやっつけて終わり」という勧善懲悪にはならない。攻めるべきは「状況・事実」であり、その「原因・理由」こそがやっつけるべき敵なのだ。その共通の敵に立ち向かい、問題を解決できれば信頼関係が深まるし、本来のサービスを得られるようになる。

説教の後

これと近い話を息子にしたが、どこまで伝わっただろうか。ピンとこない部分も腑に落ちない部分もあるだろう。私も社会人経験の中で学んできた経験則だ。これらの知識が少しでも、息子の人間関係をよくすることに繋がれば、と切に思う。

タイトルとURLをコピーしました