酷暑に抗う

健康をマネジメント
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2024年7月21日、関西の梅雨明けが発表された。

例年であれば、梅雨は曇りや雨の日が多いので気温はそこまで上がらず、海の日を過ぎて梅雨が明けたころから最高気温が上昇していく。そこから8月に入って最高気温が35度を超える日は珍しくなくなり、たまに37度を超えることもある。そんな厳しい暑さがお盆過ぎまで続く。そしてちょうどお盆休みが終わる頃に暑さもピークを通り過ぎ、残暑が厳しい日もあるものの少しずつ秋に近づいていく。

昨年も、暑さがピークを迎える事でも夜中から午前中はまだマシで、寝るときはエアコンのタイマーをセットしておいて3~4時間で切れるようにしてた。そして昼前頃に室温が30度を超えると、我慢できずにエアコンをつける、というパターンが多かった。

だが今年は梅雨明け前から最高気温は35度を超え、全国的にも観測史上最も気温の高い夏となっている。昨年、断熱・遮熱効果を期待して2重窓やバルコニーの屋根を取り付けたものの、その効果をかき消すような暑さだ。大げさな話でもなく、在宅中はエアコンを付けなければ命に係わる。

寝室のエアコンはタイマーで切れるとすぐに室温が上昇して寝苦しさに目が覚めるので、朝まで付けっ放しか、明け方に肌寒さを感じて自ら消すかのいずれかだ。リビングも、朝食時はまだエアコンなしでもなんとかなるが、10時を過ぎたあたりで室温がぐんぐん上昇して汗だくになるので早々にエアコンは再稼働する。

これだけ暑いと極力外出はしたくない。そして在宅中はついつい冷たいのみのやアイスに手が伸びる。だがいくら酷暑だからといって快適さのみを求めた行動を続けると体調を崩しがちなので注意が必要だ。

胃を冷やさない

外出時に飲み物を持ち歩く、または適宜ペットボトル飲料を買って水分補給することは欠かせない。また在宅時に冷蔵庫で冷やしたお茶に氷を追加してキンキンに冷やして飲めば体の内側から冷えて快適だ。だが余程体温が上昇している場合を除いて胃や内臓を冷やしすぎてはいけない。消化器官の働きが悪くなるため、食べたものがすぐに消化されず胃もたれを引き起こす。また消化が遅くなれば栄養価の高い食べ物に対して食欲がわかない。涼しく食べやすいそうめん、アイスやゼリーなどの冷菓では栄養素が炭水化物・糖分に偏ってしまう。タンパク質やビタミン・ミネラルが不足すると疲れやすくなったり、様々なバランスが崩れて体調を崩すことにもなる。

そのため水分補給はできるだけ糖分を含まない常温のお茶や水が望ましい。冷房の効いた室内であれば、あえて熱いお茶を飲めば胃を休ませることもできる。ミネラルウォーターは屋外で汗をかいた際は最適だが、糖分が多いためお茶の代わりに飲むと糖分が多すぎるので飲みすぎには注意したい。もし冷えた飲み物を飲むのであれば、一気に飲み干すのではなく、少しずつ口に含んで口内の熱を奪ってから飲み込むと良いだろう。一度に大量に水分を摂取しても吸収できる量には限りがある。常時コップや水筒を身近において、渇きを感じる前に少しずつ口に含むことを習慣にしたい。

私も以前は真夏には魔法瓶に氷を大量に入れてキンキンに冷えたお茶を会社に持って行っていた。だが体調不良、食欲不振で明らかにパフォーマンスが悪くなったため、それ以降はナルゲンの水筒に変更して常温のお茶を飲むようにしている。会社はクーラーが効いているので出社直後は暑くても外側から体を冷やしてくれる。逆に体が冷えすぎることもあるので、飲み物はやはり常温がベストだ。

冷房で手足を冷やしすぎない

これだけ暑いとエアコンの設定温度も難しい。我が家は基本的に28度に設定して扇風機を併用していて、在宅勤務時はパソコンや手元に向けて卓上の扇風機も回したりもしている。だが一日中エアコンの効いた部屋で扇風機の風をあびていると手足が冷えて血行が悪くなり、次第に体中のだるさを感じるようになる。私は冬場は末端冷え性であり、そもそも手足への血行が良くないということもある。だからと言ってエアコンの設定温度を上げたり扇風機を止めればすぐに体から汗が噴き出る。そのため扇風機の風量は弱めにするか、扇風機とは少し距離を置いて直接風が体に当たらないようにしている。

また、酷暑だからこそあえて意識的に体を動かすことも必要だろう。日中であればパソコンの前に座り続けるのではなく、トイレや水分補給、休憩など1時間に1回は席を立って少し歩くと良い。我が家は在宅勤務の部屋が2階にあるので、都度階段を上り下りするのは足腰にいい刺激を与えてくれる。また、私は仕事が終わったら、買い物や子供の塾のお迎えついで外出して30分~1時間程度散歩をするようにしている。今年は夜になっても気温は30度を超えていることが多く、朝10時頃から夜10時頃までリビングのエアコンはフル稼働だ。だがそれでも日が沈んで直射日光がなくなれば、幾分は暑さはマシになる。

オフィスに出社する日であれば、通勤時や帰宅時の日差しがまだきつくないので、自転車で20分程度走るのは程よい運動だ。この時、あまり急いでペダルをこぐと会社に着いたとたんに汗が噴き出て、ペーパータオルでは間に合わなくなってしまうので、木陰やビルの間など涼しい道を選んでゆっくり目に走るのがお勧めだ。この時期は帽子も欠かせない。そしてオフィスでもずっと座ってばかりではなく、やはりトイレ休憩やちょっとした打ち合わせで席を立って少しでも歩くことを心掛けたい。

手足が冷えて血行が悪くなれば、だるさを感じてさらに動くことが億劫になってしまう。真夏であっても適度に運動して体中に血を巡らせ、老廃物を輩出しなければ夏バテまっしぐらだ。

あえて外に出る

毎日厳しい暑さが続いているが、それでも1日ずっと室内に閉じこもってばかりではいけない。日光に当たることで体内でビタミンDが生成されてカルシウムの吸収が良くなるし、ビタミンDが「幸せホルモン」であるセロトニンを調節して心や神経のバランスを整える効果もあるという。また朝日に当たる事で体内時計がリセットされて生体リズムが整い、寝不足や食欲不振、肥満防止にもつながるらしい。

私は毎朝、出勤や在宅ワーク前に鉢植えやプランターに水やりをすることを、この夏の習慣にしている。底から水が染み出るくらいたっぷり水をあげておかないと、強い日差しと高温によって鉢植えはすぐに焼けて枯れてしまう。昨年はそれでいくつかの鉢植えを枯らしてしまったし、プランターで育てていた野菜もダメになってしまった。今年は同じ轍を踏むことがないように、半ば義務としてこの役割を自らに課している。

いくら暑いからと言って、土日になにも外出せずに一日中屋内で過ごすのも避けたい。あまりの暑さに気象庁からは「不要不急の外出を控える」ようお達しが出ているが、1~2ヵ月も最低限の外出に留めていては体力が低下するし、なにより日々の刺激が減って幸福感も薄れてしまう。常に水分補給を怠らないようにしていれば、駅までの10分分程度で熱中症になることもないだろう。日傘や帽子、水分などを備えた上で、週1日くらいは屋内施設に遊びに行ったり、ショッピングモールで美味しいスイーツ、冷菓を食べに外出するのはどうだろうか。食料品の買い出しを家族に任せるばかりでなく、あえて一緒に出掛けてみても良い。

体を動かさなければ体力が低下し、気持ちも沈んでさらに外出する気持ちにならない悪循環に陥ってしまう。それを避けて健康にこの夏を乗り切るためにも、外出して適度に汗をかいた方が良い。体を動かせば睡眠の質があがるし、それによって食欲も増すというものだ。

暑さから逃げずに、積極的に抗おう

今年の暑さは異常であり、命の危険を感じると言っても大げさではない。だが、だからといって部屋に閉じこもって暑さが過ぎるのをやり過ごしていてはもったいない。過ごし方や行動を意識すれば暑い中でも幸福感を高める事はできるし、そういった意識が熱中症や夏バテ、体力低下を防ぐことにも繋がる。その結果、さらに日々の幸福感、満足度は高まるというものだ。

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