JCOMから電話がかかってきた。ルーターの交換時期が近づいているため訪問して状況を確認したい、とのことだったが、その中身は光回線への切替を勧める営業だった。どうやら我が家のエリアまで光回線が届いたらしい。
昨年、ネット回線の不安定さを解消すべくルーターを交換してもらったところ、受信速度が14Mbpsから40Mbpsに跳ね上がり、我が家のインターネット環境が一気に改善した。もともと動画や大容量ファイルを頻繁にダウンロードすることは稀なので、40Mbpsあれば十分だった。
だがスマホ含めてインターネットサービスは通信データ量が日に日に増えていて、今後は何気ない家電にもインターネット通信を前提とした機能が増えていくだろう。そのため現時点で通信速度に不満はなくても、長い目で見ればいつかより高速な通信サービスが必要になってくる可能性がある。実際、夏休みなどで子供が日中にオンラインゲームをしたりyoutubeを見ていると、リモートワーク用のパソコンの接続が遅くなることもたまにある。今は大きな影響は生じていない者の、やはり回線は速いに越したことはないのだ。
そこで改めて我が家のインターネット回線について検討することにした。
二つの選択肢
元のプランは「スマートお得セレクト 40Mコース」で、インターネット+テレビ(専門チャンネルを一つ選択可能)で月額4,900円(税抜き)だった。そして切り替え案としては「スマートお得セレクト 1Gコース」と「スマートお得NET 320Mコース」の二つの選択肢があった。
①スマートお得セレクト 1Gコース 6,385円(税抜き)
インターネット 1G
テレビ(専門チャンネルを一つ選択可能)
②スマートお得NET 320Mコース 4,900円(税抜き)※
インターネット 320M ※光回線への切り替え不要
地デジ(BS)
※4,280円に地デジ(BS)利用620円を追加
1Gにこだわるなら①なのだが、320Mでも現状からは8倍に跳ね上がり、インターネットの利用が集中しても速度低下は概ね解消されるだろう。もしかしたら320Mあればこれから先もずっと困らない可能性だってある。またJCOMと言えばケーブルテレビだが我が家ではこの10年間ほとんど専門チャンネルを見ることがなかった。アニメの専門チャンネルならば好きなアニメがいつでも見られると言うわけではないので、放送されたアニメや映画を録画して見たいタイミングで見るだけでも十分だった。
そのため②のように320Mのサービスに切り替えて、インターネット専用のプランに地デジのみのサービスを足すだけ、という選択肢も十分に候補になり得る。費用は現状と変わらない。ただしJCOM側の設定変更の手数料として初期費用3,000円が発生する。そして違約金20,000円を払いたくなければ契約変更期間である10月まで待つ必要がある、というデメリットもある。
営業からの説明を聞くと、今なら光回線に切り替えのキャンペーン中のため契約期間外でも違約金は発生しない。加えて24カ月間の500円引き(スマート割)と12ヵ月間の667円引き(スタート割増)があるので、切替後1年間は5,218円(税抜き)と、現状と300円程度の増額になるだけで光回線を導入できる。しかも10月まで待つ必要はなく、回線引き込みの工事をすればすぐに光回線を利用できる。もちろんキャンペーンが終われば最終的には現状よりも1,167円あがって月額6,385円、現状対比1,485円の増額となるが、キャンペーン中だからこそ切替にかかる費用を抑えられるというメリットもあるだろう。数年後に光回線に切り替えようとしたときにいくらかかるのか、実際の費用対効果はその時になってみないと分からない。
切り替えにかかる費用と期間を比較し嫁とも相談・検討した結果、最終的には光回線への切り替えることにした。半年以上早く回線速度を上げられること、将来的には光回線が必要になるだろうという予測、そしてキャンペーンによる費用面での優遇が確実なうちにその効果を刈り取っておこうと考えた。また回線切り替えの手続きや工事の調整事などをもう一度一から始めるのも面倒くさいし、それを理由に回線速度の不足にストレスが続くことも避けたかった。
高機能Wifiによって家中に電波が行きわたる
光回線の引き込み工事には特殊な車両を手配する必要がある、ということで、営業の訪問から光回線の利用開始までに約1か月かかった。またテレビケーブルの配管がうまく外から繋がっておらず、空気ダクトから光ケーブルを通すことにしたため、結果的にルータの設置場所は今までとほぼ同じ場所(リビングのテレビの横)になった。だがルータから高機能WifiにLANケーブルで接続し、そこから電波を飛ばす仕組みに変わったことで、今まで以上に家中に電波が行きわたるようになった。
速度を測ってみると、リビングなら受信・送信ともに300Mbpsを超えた。40M回線の時は受信が40Mbps、送信は僅か2Mbpsだったので、光回線とテレビケーブルの違いは明らかだ。
2階でも受信はほとんど変わらず300Mbpsを超えていた。これなら家中どこにいてもインターネットの速度にストレスを感じることはないだろう。特に息子はオンラインゲームのアップデートが一瞬で終わり、またゲーム中も今まで以上にスムーズに操作できると大喜びだった。
320Mへのプラン変更だとルータの機種変更はなかったので、ここまでの効果を得られたか分からない。光回線に切り替えて正解だった。
飛行機が近づくとインターネット接続が切れる
だが一つだけ問題が生じていた。嫁のリモートワークPCからのインターネット接続がたびたび切れるらしい。そのためオンライン会議中に度々接続し直さなくてはならず、新たなストレス要因になっていた。
しばらくして、どうやら飛行機が近づくタイミングで接続が切れるということが分かってきた。我が家は空港に近いわけではないが真上に飛行機の通り道があるため、一日に何度も飛行機の飛ぶ音がする。そしてその時、インターネットの接続が切れるらしい。
調べてみると、飛行機のレーダーは5GHz帯を使っていて、Wifi機器にはレーダー波とWifi電波の干渉を防ぐための機能が備わっているため、飛行機が近づくとWifi機器がレーダー波に影響を与えないよう、他周波数に切り替えたりWifi通信を停止するらしい。Wifiの周波数は2.4GHz帯と5GHz帯があり、電子レンジなどの家電に使用されるのが2.4GHz帯だ。以前のルータなら、どちらの周波数帯で接続するかデバイス側で選択できたのだが、新しいルータではアクセスポイントは一つしかなかった。おそらく高機能がゆえに自動で切り替わるのだろうが、その切り替えに嫁のパソコンがついていけていないに違いない。
そこでWifiの中継器を利用することにした。以前のルータの設置場所だと2階は電波が弱いため、リビングの中央に中継機を設置していた。速度が上がったことで用済みになる予定だったが、この中継機を使えば二つの周波数帯を別々に選択することができる。
中継機の設定は専用アプリを使えば簡単だ。5Ghz帯と2.4GHz帯でそれぞれアクセスポイントを作成し、スマホやパソコン側で接続パスワードを設定すれば良い。
早速2階で速度を測ってみると、5GHz帯なら受信が30Mbps、送信が60Mbps。2.4GHzなら受信は17Mbps、送信は40Mbpsといったところ。5GHz帯の方が遮蔽物に弱いが干渉を受けにくく遠くまで届くし速度も速い。逆に2.4GHz帯は干渉に弱く速度も遅いらしいく、実際その通りの測定結果となった。また中継機を挟むことで受信速度は10分の一以下になってしまったが、あくまで高機能Wifiと中継機の間の話なので問題ないだろう。
そして肝心の嫁のパソコンからのインターネット接続については、2.4GHz帯を使うことによって飛行機が近づいても切れる事はなくなった。期待通りだ。だが2.4GHz帯は電子レンジなどの家電と干渉するため、嫁がリモートで会議参加している際などは注意が必要だ。
インターネット環境が最終系に到達、日々の幸福度は高まった
我が家のインターネットの速度はこの一年で、実測値14M⇒40M⇒300Mと一気に向上した。またケーブルテレビよりも光回線のほうが安定していて、時間帯による速度の低下も生じにくいという。中継機を活用することで、二つの周波数帯の使い分けも可能だ。これでよほどのことがない限り、半永久的にインターネット環境は安泰だろう。
環境を変えるには時間や手間、費用もかかる事だが、覚悟を決めてやり切ればそれまでのストレスが軽減し、日々の幸福度は確実にアップする。今回は速度の向上に伴って費用負担は増えることになったが、より良いサービスに見合って支出が増えるのは当然のことだ。契約やサービス内容を見直せば、逆に不必要なサービスに対する不必要な支出が見つかることもあるだろう。
営業の話を聞くのは2時間程度、回線工事は3時間程度で終わる。それをめんどくさがって後回しにしてしまうと結局はなにも変わらない。大げさな言い方だが、私は自ら一歩踏み出すことで、末永いストレス軽減と幸福度の向上をつかみ取ったのだ。
日々の不満に文句を言うばかりではなく、何が出来るかを考えて行動に移すこと、それはとても大事だなと改めて思った次第だ。