仕事でミスやトラブルがあると、まずは原因の深堀りが重要となる。その際によく使う手法が「なぜなぜ分析」だ。なぜミスをしたのか、そのミスをした原因はなぜ起きたのか、といったように「なぜ」を繰り返していくことで「真の原因」にたどり着く。再発を防止するには表面的な原因ではなく、真の原因に対処することが効果的なのだ。
例えば作業でミスをした場合、表面的には「不注意」が原因かもしれないが、ではその対策が「注意する」では何の解決にもならない。もちろん個人の能力・スキルを向上することも必要だろうが、個人に責任を押し付けて終わってしまうと、作業者が変わったとき際の再発防止の確約ができない。真の原因を見つけ、それを組織の問題としてとらえた上でミスが起きないルールや体制の見直しが必要となる。
なぜなぜ分析を応用する
なぜなぜ分析は、ミスやトラブル以外にも応用できる。
例えば仕事で不安やストレスを感じた時、まずはこの不安はどこから来るのかを書き出す。そしてなぜ不安に思うのか、それはなぜかを繰り返し、真の原因にたどり着いたら自分で解決できることとできない事に分類する。自分にできない事でももう一つ深堀し、どの部分ができないかを洗い出す。そこまでやって、「出来ない」が解決できそう、かつ自己成長に繋がるなど自分でやる価値があり、時間がかかっても問題なら頑張ればろう。そうでないなら誰かに頼るか、どうしようも出来なければ放っておくことも選択肢の一つだ。できない事まで一人で抱え込むから不安になるので、それを明らかにするだけでも不安は解消されることが多い。
・作業が集中し負荷が高いためにどこから手を付けて良いか分からない
→作業を書き出し、重要度と緊急性で分類する
→5分~10分たらずでできる簡単なことを片付ける
→自分ではできないor時間がかかる事は、他の人に振るか時間がかかる事を依頼者に伝える
→優先順位が高い作業が複数残ったら、上司や依頼者に期限の相談をする
⇒自分ですべき作業が明確になって不安解消!
・初めての作業でうまくできるか自信がない
→その作業の中で、どの作業が分からないのかを確認する
→不確かな部分を明らかにする方法を考える(調べるor有識者に聞く、など)
→失敗することが不安なら、失敗することによるリスクを考える
→リスクが低いならまず始めてみる
→リスクが高ければそのリスクを上司や他のメンバと共有する
⇒分からない事が減って不安解消!リスクを抱え込む不安が軽減!
仕事以外にも応用できる
不安やストレスは仕事だけが原因ではない。家庭やその他の人間関係、買い物やレジャーといったさまざまなイベントに対して不安やストレスを感じることもあるが、その対処にもなぜなぜ分析を応用できる。
・嫁にラインを送っても既読スルーされてモヤモヤする
→期待したリアクションが得られないから不満や不安を感じている
→嫁の機嫌が良くないのかもしれない
→今不安に思っても仕方がない、会ったときに少し気をつけよう
→一言くらい返事してくれてもいいのに
→在宅の仕事が終わっていない、夕食の準備に忙しいのかも
→返信のタイミングを逸して忘れちゃうことってあるよね
→既読がついて要件が伝わっていればとりあえず目的は達している
⇒モヤモヤを晴らしてスッキリ!悩んでも仕方がない!
・息子の学校から連絡があり、そのやり取りを嫁に伝えたところ認識相違があり責められれた
→自分が成すべき事をやっていたか確認する
→いうべき事はいう、ただし感情的にはならない
→嫁の立場になって考えてみる
→嫁もストレスが溜まっていて、感情的になっていたのかも
→嫁の話を聞いて理解を示す、傾聴する
→認識相違があったことで、実際に困る事を確認する
→それに対してできることがあるか考える
→できる事を実行する
⇒問題が解決し、嫁との関係性も向上!(しないこともある)
私の場合、仕事以外のストレスや不安は家族まわりが多いのだが、できるだけ感情的になる前に一人分析をする。感情的になってしまった後でも、冷静になって分析しリカバリすることは家庭円満のためには重要なことだ。
負の感情を深堀してコントロールしよう
生きていく上で、様々な負の感情がついて回る。漠然とした不安や怒りに支配されると行動が制限されてしまい、いろいろなことが上手くいかなくなる。前向きになれず、機嫌が悪い状態では周りからの支援や配慮にも気づかず、ますます孤立し立場が悪くなる。
そんな時は、その負の感情がどこから来るのかを分析してみよう。トラブル対応と同様に、根本原因を突き止めて、その原因に対して自分が出来ることをやればいい。できないことに頑張っても仕方がないとあきらめる事も、自分の心を守ることに繋がる。
終わったことや、遠い未来について思い悩むのはやめて、今できる事に精一杯取り組む。そのために、なぜなぜ分析は役立つツールの一つとなるのでお勧めだ。