いろいろあったが無事に石垣島旅行に出発した。ただ、私も嫁も「行くからには後悔したくない」という想いが強すぎて、かなり中身の濃い旅程となってしまったことには一抹の不安があった。濃い内容に体力がついていかなければ、せっかくの旅行が苦行になりかねない。だが旅行は始まった。
石垣島行きの飛行機の離陸は30分ほど遅れた。石垣空港への空路に台風があることで空路が込み合っていたことが原因だったらしい。だが空港からホテルへのバスの時間は余裕があったので、30分遅れても特に焦りはない。特に飛行が不安定になることもなく、快適な空の旅を過ごすことが出来た。子供たちも離陸の際は少し緊張していたが、そのあとは本を読んだり仮眠したりと、リラックスして過ごしていた。
あいにく石垣空港は豪雨だった。南国特有なのか、大粒の雨がボタボタと滝のように降っていた。空港のコンビニで買った昼食をフードコートで食べ、そのあとバスでホテルに移動する。幸いにもホテル到着時には雨が上がってくれたが、関西とは比べ物にならないほど蒸し暑い。気温が32度程度で関西よりずっと低く、日差しは強くても過ごしやすいだろうと期待していたが出鼻をくじかれた。この蒸し暑さが3日間続くのかと思うと、うんざりする。
ホテルでチェックインを済ませた後は計画通り、レンタサイクルを借りて鍾乳洞を見に行った。思ったより上り坂がきつく、また蒸し暑さもあって子供たち、とくに娘のテンションがダダ下がりだ。15分程度の道のりだったが、鍾乳洞に着いた時には「ホテルに帰りたい」と言い出した。鍾乳洞の中なら涼しいだろうと期待したが思ったほどではなく、娘の機嫌を直すには至らない。結局ぶつぶつ文句を言いながら約660メートルの鍾乳洞を一気に素通りしてしまった。入り口でパンフレットを貰い損ねたこともあって、私も見どころが良く分からないまま、石垣島の最初のアクティビティは終わった。
そのあとは市街地から一番近いビーチに行く予定だったが雨上がりで砂浜が濡れていることを懸念して、ホテルのプールで涼むことにする。あまりの蒸し暑さに、自転車で30分かけてビーチに行くような気持にはなれなかったし、息子は移動中に仮眠をとらずに本を読んでいたため早々に疲労のピークを迎えていた。特別大きなプールではなかったが、子供用のウォータースライダーもあり、娘の機嫌を回復するには十分だった。
1日目の夕食はネットで予約をしておいた、市街地のステーキ屋さんで石垣中のステーキやハンバーグ、ローストビーフ丼を頂く。白ご飯が好きな息子は、どんぶりで出てきた大盛ご飯(なぜか普通盛りの半額)を見て大喜びだ。お肉の味は値段相応で、石垣牛だから他のブランド牛よりおいしい、というほどの違いは分からなかった。
市街地のレストラン街には島の雰囲気漂う良さげなお店が並んでおり、お盆前だからかそこまで混雑もしていなかった。結果論だが事前に予約せずに、実際にみて気に入ったお店に入る、という選択肢もあることが分かった。ネットでの情報収集にはどうしても限界があるので、お店難民になるリスクを回避するためには仕方がないのだが、一つ勉強になった。
夜は星空を見に行きたいと思っていたが、ホテルの星空見学ツアーは満席で当日予約ができなかった。ホテルの周りを散策に行っても良かったのだが、子供たちの体力・気力が限界を迎えており、曇ってもいたのでおとなしくホテルに帰って1日目の疲れを癒した。
飛行機でも石垣島でも、幸いにも台風による影響はほとんどなかった。ただ空港のコンビニは品薄状態で棚の半分くらいが空いていたし、ステーキ屋では生野菜が入ってこないためにサラダの注文が出来なかった。流通網が発達しても、やはり離島はなにかと不便なことがあるのだと実感した。
(石垣島旅行譚④に続く)