石垣島旅行譚② ~台風6号と旅立ち~

旅行をマネジメント
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今回の旅行にとって一番重要なファクターは「天気」だろう。台風シーズン真っただ中であり、飛行機が飛ばなければ旅行そのものを中止せざるを得ない。台風だけでなく、当日の天気や気温によっては楽しさ・満足度は全く違うものになる。ただ天気が悪かった場合に備えて準備することはできても、悪天候天候そのものはどうしようもない。そして迷走台風6号が現れた。

7月28日 台風6号発生

フィリピンの東に発生した台風6号だが、この時点では毎年この時期にある、ごく普通の台風だった。進路予想は31日から8月1日にかけて沖縄地方に近づく恐れがある、というものだ。台風発生のニュースは少し気になったものの、そのまま中国に抜ける進路予想だったので、1週間以上前に通過するなら旅行への影響はほとんどない。

7月31日 東寄りに進路変更

中国に抜けるかと思われた台風6号だが、当初の予想よりも速度が遅い。しかも沖縄通過後は東寄りに向きを変える可能性があるという。それでも通常ならば沖縄付近を通過後は2~3日で本州を通過するので、若干の不安はあるもののそこまで心配はしていなかった。

8月2日 出発日に関西直撃の可能性

台風6号の速度は非常に遅く、しばらく沖縄地域に停滞したあとUターンして7日以降に西日本に接近する恐れ、という予想に変わった。上陸せずに本州から離れたところを通過してくれれば問題ないが、コース的には関西直撃の可能性がでてきた。進路予想は8日までだが、旅行当日に関空上空を通過する進路に見えてならない。

ここで旅行会社やツアー会社のサイトを再確認し、悪天候によって飛行機が飛ばなければツアーは中止となり、キャンセル料など発生せずに旅行代金は全額返ってくることが分かった。リフレッシュ休暇は消化しても、旅行代金が返ってこれば、今年中に別日に有給休暇をとってリトライすることはできる。最悪の事態は避けられると分かって、とりあえず胸をなでおろす。あとは引き続き祈るばかりだ。

8月5日 西向きに進路を変えて、九州へ

全く速度があがらず沖縄地方で停滞し続ける台風6号。その結果、太平洋高気圧との力関係によって、台風の進路予想は大きく西よりに変わっていった。暴風警戒域には入っており予断は許さないが、関西直撃の可能性は低くなってきた。仮に暴風域が関西をかすめたとしても、この速度なら台風が来る前に石垣島にむけて飛び立ちそうだ。

空路の途中に台風があったとしても、空港への影響が限定的で離発着さえできれば欠航となる可能性は低いらしい。迷走台風の進路に一喜一憂して数日振り回されたが、どうやら石垣旅行には支障はなさそうだ。

ただこの台風によって数日間、沖縄地方の空港が閉鎖されてしまったため、私たちより1週間先の旅程となっていた人たちは「ホテルから出れない」「帰ってこれない」という状況に陥ってしまった。台風が来る前は楽しかったとしても、さらに2~3日もホテルや空港で缶詰になってしまえば、辛い記憶で上塗りされてしまう。予約した時はそのリスクを最も恐れていただけに、ニュースで流れた疲労困憊の観光客の表情は、とても他人ごととは思えなかった。

8月7日 石垣空港の離発着便は平常運航へ

台風は通り過ぎても、空港に被害があって運行に支障があれば石垣島にたどり着くことが出来ない。また沖縄は台風のUターンで長期間風雨にさらされ、大規模な停電など大きな被害があった。また台風自体はまだ沖縄、奄美地方にあり、「沖縄本島」や「奄美大島」「屋久島」あたりを旅行先として選んでいた場合、旅程変更は避けられなかっただろう。幸いにも石垣島空港は7日には平常稼働しており、結果的に「石垣島」の選択が大当たりだった。

8月9日 旅立ち

私自身、新婚旅行以来の飛行機だったので、搭乗手続きも久々で、飛行機の安全性にも一抹の不安があった。科学技術は信頼しているとはいえ、車や電車と違って万が一があれば助かる可能性はかなり低い。

離陸前には「もしこの飛行機が墜落しても、人生に後悔はないか?」と自問自答をする。そしてこれまでの人生を振り返った結果「特に子供たちは助かってほしいし、両親より先立つのは親不孝ではあるが、私の人生に後悔はない」という答えにたどり着いた。これで心置きなく、出発できる。

旅行も一つのプロジェクトであり、成功するためには様々なリスクや課題がある。台風は旅行にとって大きく致命的なリスクであり、それ自体はコントロールすることはできない。だが、情報を適切に収集し、そこからリスクが顕在化した場合の影響をどう抑えるかをマネジメントすれば、リスクはコントロールできる。

台風が直撃し、飛行機が飛ばなければ、旅行代等を速やかに回収してリスケすればいい。そしてその準備ができれば、あとは当初の予定通りに計画を進めるだけだ。台風のような自分の力でどうにもならないことに抗っても時間と労力を無駄にする。不安感に押しつぶされて立ち止まってしまい、本来の準備を怠れば、せっかくリスクが回避できてもプロジェクトが失敗することになりかねない。やる事さえやれば、あとは気持ちを楽にして天命を待てばよい。

(石垣島旅行譚③に続く)

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