本を読みたい。
子供の小学校や中学校では毎日読書タイムがあり、特に息子は最近かなりの量の本を読んでいる。私や嫁が昔読んだおススメを貸すこともある。そうすると私もその本を再読してみたくなるのだが、やはり時間と習慣がネックだ。息子に読んだ本の感想をたずねると「面白かった」という。どんなところが?と聞くと細かいところはうまく説明できない。親としては物足りないが、しかし私も中学生のころは文庫本1冊を2~3時間で読み終わっていた。覚えるために読んでいたわけではないので、読んでいる間が楽しければよかった。よほど印象に残った場面やセリフからなにかを学ぶこともあったかもしれないが、それは二の次だ。
社会人になってからはビジネス書やビジネス雑誌を読むことが多かったが、やはり最近はあまり読めていない。たまにネットで気になった記事を読む程度で、情報のインプットが不足している。会社で毎日新聞記事をピックアップして回覧してくれているが、業界が偏っているし面白くない・興味を持てない記事は読み飛ばしてしまう。以前は会社で購読している「日経ビジネス」や「日経コンピュータ」から記事をピックアップして読んでいたが、今は習慣的にそれらを読む時間が確保できていない。
ビジネス書なのだから何かを学ぶべき、と構えてしまっているのかもしれないが、何を学ぶかは結果に過ぎない。自分の置かれている状況、タイミングによって得るものが変わるのであれば、一冊をじっくりと理解し記憶するのではなく、流れに任せて読めばよい。
本を聴き始めた
ではいつ読む時間を確保するか。会社で出社後の10分だけ「日経コンピュータ」を読むことを習慣にするのも良いが、それだとビジネス書や小説などを読むことはできない。以前は通勤時間中、電車の中や歩きながら本や雑誌を読む時間があったが、今は自転車通勤だ。自転車に乗りながら英語をリスニングしていたこともあったが、聞き流しているだけであまり身にならなかったのでやめてしまった。結局片道約30分間はただ自転車を漕いでいるだけだ。それならこの時間を本を聴くことに使ってみてはどうだろう。オーディオブックだ。
オーディオブックは本の朗読サービスだ。時間のないビジネスマンや起業家などがスポーツクラブなどで汗を流しながら数倍速で本を読むのに使っている、という記事を読んだことがあった。その時は半信半疑だったし、なによりオーディオブックは1冊の値段が高いので「金持ちのツール」の印象があり、手を出しにくかった。しかしすこし調べてみたところ、そうではないことが分かった。
オーディオブックは「audible」と「audiobook」の二つが主流で、どちらも定額購読と、オーディオブック購入の二つのプランがある。定期購読で無料で読める数や、購入できる数に違いがあり、パッと見た限りでは一長一短だ。そしてどちらも無料お試し期間があったので、さっそく試してみた。
まずはaudiobookをお試し
通常、audiobookは14日間のお試し期間があるが、ちょうど30日間のお試しキャンペーン中だったので、まずはaudiobookから始めてみた。月額1,000円の聞き放題プランがお試しできる。アプリのDLと申し込み手続きは簡単だ。そして読み放題で読める本を見てみる。30日間、自転車移動時間でどれだけ読めるのかが分からないが、とりあえず読みたいものから読み始めた。数十個に音源ファイルが分かれているので初めにWiFi環境で全部ダウンロードしておく必要があるが、自電車に乗っていても十分に聞き取れて出だしは好調。途中、期間限定で「夢をかなえるゾウ」シリーズ読めるようになった。なるほど、こういったキャンペーンもあるのか。どんな本が定期購読プラン内で読めるのかは、その時によって変わるらしい。
結果的には30日間で5冊読むことが出来た。
「道をひらく」 松下幸之助
「神様に一番近い動物」 水野敬也
「トマ・ピケティ『21世紀の資本論』を30分で理解する!」 週刊東洋経済編集部
「夢をかなえるゾウ2 ガネーシャと貧乏神」 水野敬也
「夢をかなえるゾウ3 ブラックガネーシャの教え」 水野敬也
そして著名人が数倍速で読む(聞く)という意味も分かった。元の音源がかなりスローなので普通に聞けば1冊で10時間以上かかることのだ。そしてそれを2倍速で聞いたとしても、十分に聞き取れる。時短のために倍速で聞いている、というよりはその方が聞きやすいからだろう。
「夢をかなえるゾウ」シリーズは自己啓発本ながら物語仕立てになっているので、自転車通勤途中に半ば聞き流していても十分に楽しめた。細かいところまで覚えることが出来るかと言えば難しいが、当初の目的である「多読」のためであれば問題ないレベルだ。印象に残ったセリフや場面はなんとなく心に残っているし、即座のアウトプットにはつながらないかもしれないが、一定のレベルで知識や経験を得ることが出来たと思う。
次はAudibleをお試し
Audiobookの聞き放題プランは月額1,500円で、常に30日間無料でお試しができる。こちらも手続きは簡単ですぐに始めることが出来た。本を選んで音源をDLする手順は基本的にaudiobookと変わらない。
Audiobookでは30日間で4冊を読んだ。
「[新版]日本国紀<上>」 百田 尚樹
「[新版]日本国紀<下>」 百田 尚樹
「夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神」 水野敬也
「夢をかなえるゾウ0 ガネーシャと夢を食べるバク」 水野敬也
Audiobookは初めから「日本国紀」を読みたいと思っていた。本屋で見かけて何度か買おうかと手に取ったが、読む時間があるか分からなかった。こういった歴史書は人名や年代の表記が多いので、覚えるつもりで読むと時間がかかるし体力的にも辛い。読むモチベーションが続かない恐れもある。しかしオーディオブックで聞き流せば間違いなく時間内に1冊読了できる。それで面白ければもう1回聞き直すか、必要なら書籍を買ってもいい。これがオーディオブックの楽しみ方なのだと思う。
Audiobookでも「夢をかなえるゾウ」シリーズは読み放題だ。しかもこちらもタイミングよく「夢をかなえるゾウ0」が期間限定で読み放題対象になっていて、おかげでシリーズをすべて制覇することができた。
感想とこれから
いまはaudiobookもAudibleも有料会員にはなっていない。audiobookにお試しで入会した際に期間限定で500円分コインが貰えたので「ザ・ゴール 企業の究極の目的とは何か」を購入して、それを聴いている。audiobookは解約しても購入済みの本はいつでも読むことが出来る。普通に変えば1760円するが、500円コインを使って且つ半額セール中だったので600円弱だ。
audiobookとAudibleの違いは良く分からないが、値段が高い分Audibleのほうが聞き放題の対象が多いらしい。でもaudiobookの聴き放題にも面白い本はあるし、定期的に新しい本が追加されたり期間限定のキャンペーンもあるので一長一短かもしれない。どちらも一定期間有料会員になってみないと評価をすることは難しそうだ。今後については「ザ・ゴール」の2回目を聞き終わってから考えるが、月額費用の安いaudiobookで読みたい本がいくつかあるので、まずはそこから始めてみようと思う。
とにかく私の生活の中に「本を聴く」習慣が加わった。自転車通勤というエクササイズとリフレッシュの時間に、「情報のインプット」という要素を加えることが出来て、なんだかテンション高めの自分がいる。