自分で自分をほめる

ビジネススキルをマネジメント
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年度末だ。多くの社会人にとっては、1年の振り返り、年度初めに立てた目標は達成できているかを確認し、その実績に応じて今年度の評価が下り、来年度の給与・賞与が決まる時期でもある。残り1か月で最後の追い込み、なんとか実績を形にしようと頑張っている人たちもいるだろう。売上や契約件数など、達成目標として具体的な数字が設定されていると達成基準が明確なので分かりやすいが、ごまかしも利かない。目標未達の場合はこの1か月が勝負になる。

来年度の給与・賞与に関わることだから、この振り返りはきっちりとやったほうが良い。会社によっては自己評価が十分に加味されず、上司評価や組織の業績が優先される場合もあるだろう。だからといって自己評価に意味がないわけではない。

自己評価は甘くて良い

まず、1年前に立てた目標を確認する。3か月や半年毎に振り返り、目標を見直しをする場合もあるだろう。具体的な行動や数字を目標に設定している場合、その行動が出来たかどうか、数字をクリアしたかが評価基準となる。しかしここで目標をクリアできていなかったとしても「目標未達」で評価を終えてはいけない。

よほど仕事と関わりのない目標を設定している場合は例外だが、1年間働いていれば特別に意識していなくても「目標」に向かって進んでいる。「10」の目標値に対して「7」しかクリアできなかったとしても、まずは1年間働いてきて「7」までやり遂げたことを褒めよう。他の人が10以上達成していても気にしない。自己評価の比較対象は他者ではなく1年前の自分だ。反省は後でいい。1年前に目指した山の頂上にはたどり着けなかったかもしれないが、7合目まで登ったのだ。そのための苦労は自分が一番わかっている。だからこそ、まずは自分で自分を褒めればよい。

また、「目標」とは直接関係なくてもこの1年苦労したこと、辛かったことを思い出して労をねぎらい自信を労わろう。結果を伴わなかったとしても、頑張ったことや辛かったことは報われてもいい。目に見えた成果が出ていなくても努力や苦労は無駄ではなく、経験が血肉となっている。苦労した分成長している。この経験を活かすには自らの成長を意識し、認めよう。辛かったけど終わってよかった、と安心してはいけない。筋肉は傷つき負荷がかかればより大きく成長する。

1年間にやってきたことを文字にする

自らを褒めて労わることで1年間の成果、努力、苦労を思い出すことが出来たら、それらを文字にしよう。各会社で所定の書式があれば「実績・成果」の欄に書くことになる。自分を褒めて労わった後だが、ここで「感情だけ」を表現してはいけない。評価者は1人だけではないので努力・苦労を共有していない人には大変さが伝わらない。

「頑張りました、大変でした」→「ふーん」

で終わってしまう。そのため「実績・成果」は具体的な表現が求められる。「目標10件達成できた」といった数字があれば伝わりやすいが、目標未達の場合は数字で表しいにくい成果であれば、出来るだけ具体的に、また客観的な要素を入れると良い。また、1年間の頑張りによって自分の能力・価値が高まり、次年度に繋がる成長が出来たことを書こう。

・〇〇部の担当と粘り強く調整し、〇〇が出来た
・〇〇社から喜ばれた
・目標は未達だったが、〇〇という経験をした
・顧客の要望を大事にして1件1件を丁寧に処理した

ただし他者や他部を悪く書いてはいけない。どんな場合であっても悪口を見て気分が良くなる人はいないし、悪口を言う人自身の評価も上がらない。読む人、評価者が読んでいて気持ちの良い内容になるように意識しよう。読み手が気持ちの良い文章は、書いていても気持ちがいいものだ。

反省は必要だが、成果報告に書く必要はない

1年の成果報告はできたことを報告するものなので、マイナス評価に繋がることは積極的に書かなくても良い。良かったこと・悪かったことをすべて書くのではなく、プラス評価に繋がることだけを書けばいい。もし自身が起こしてしまったトラブルや失敗に対して上司や周りに迷惑をかけてしまったのであれば「反省」ではなく「感謝」を表現しよう。マイナスの経験によって自分がどう成長したか、「学んだこと」「出来るようになったこと」を記載すれば、前向きな内容になって印象も良い。ただ少しテクニックが必要なので、文章力に自信がないうちは避けた方が無難だ。

上司であれば、自分の部下はできるかぎり高く評価したいと思うのが人情だ。また、部下の評価を足したものが組織の評価であり、その組織の管理者に対する自己評価にもなる。部下が皆頑張った=組織として高い成果を出した=管理者である上司も評価される、という図式だ。かといって、その組織内での優劣はつけざるを得ない。よほど好業績の会社でなければ全員がもれなく評価を上げる、ということは難しい。誰の給与のランクを上げるか、昇進されるか、と言うことにも関わるからだ。そのため、マイナス点があれば評価を落としやすくなる。反省することは大事だが、成果報告はできる限り前向きな内容のみにしよう。

次の目標を考え、伝える

成果報告を書き終わったあとで大事なことが「反省」だ。実際は良かったことばかりではないし、うまくいかなかったこと、失敗もあっただろう。そういった経験を活かして、来年度にどうすればよいかを考えよう。1年を振り返って感じたこと、思ったこと、自分がどうありたいかをノートや手帳などに書き留めておくとよい。細かい目標はまた次年度の目標設定の際に書けばよいが、その際に役立てることが出来る。

成果報告の場として上司との面談があれば、ノートに書き留めたことを共有するのも良い。人に話すことで目標を共有できるし、良い上司であればサポートを受けられる。部下を育てることは上司の責務であるし、頼られて嫌な気持ちになる人は少ない。

1年の振り返りを大事にしよう

目標を立てて成果を報告すること。面倒だと思う人もいるが、毎年のこと作業を大事にすることは確実に自分に返ってくる。評価、能力、上司との関係など、様々なことが好転する。できる人は当たり前にやっていることだが、出来ていない人は今年から始めてみることをお勧めする。

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